日本の小学校を取材したドキュメンタリー映画の短縮版がアカデミー賞ショートリスト選出! 日本人監督・日本題材の作品では初候補入り

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(C)Cineric Creative
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日本の公立小学校に通った山崎エマ監督が、海外生活を送る中で気づかされた“自分の強み”

日本の小学校を1年にわたり取材したドキュメンタリー映画『小学校〜それは小さな社会〜』から生まれた短編版『Instruments of a Beating Heart』が、アカデミー賞「短編ドキュメンタリー映画賞」のショートリスト入りを果たした。日本人監督・日本題材の作品としては初候補入りとなる。

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ドキュメンタリー映画『小学校〜それは小さな社会〜』は、イギリス人を父に、日本人を母に持ち、日本の公立小学校に通った山崎エマ監督が、海外生活を送る中で気づかされた“自分の強み”は“日本人ゆえ”であり、遡ればそれは、公立小学校で過ごした時間に由来するのではないかとの思いに至り、「小学校を撮りたいと思った」ところからスタート。

山崎監督は、コロナ禍の2021年4月から1年、150日、700時間(監督の小学校滞在時間は4000時間)にわたって撮影を行った。主に1年生と6年生を追った映像には、生き生きと学校生活を送る子どもたちの姿と、コロナ禍で困難な時期の教育に悩みながら子どもたちと真摯に向き合う教師たちの姿が収められている。

桜が満開の4月。新年度は入学式から始まる。授業が始まり、1年生は挙手の仕方や廊下の歩き方、掃除や給食当番など、集団生活の一員としての規律と秩序について初めて学ぶ。そんな1年生の手助けをするのは6年生だ。小さくてまだ何もわからない1年生も、わずか6年の間に自分が何者であるかという自覚を持ち、6年生にふさわしい行動を取るようになる。

主人公は学校そのもの。カメラは、1年生と6年生に焦点を絞り、春夏秋冬、彼らの学校生活を追う。コロナ禍において学校行事実施の有無に悩み、安全と犠牲をめぐる議論を重ねる教師、社会生活におけるマナーを学んでいく1年生、経験を重ね次章への準備を始める6年生…。

3学期になり、2年生に進む1年生は、新1年生のために音楽演奏をすることになる。彼らは社会の一員として生きていくために、ものごとをやり遂げる責任感や、そこで得られる達成感を感じて学び、また“誰かのために何かをする喜び”も体験するのだ。そして、桜のつぼみがほころび始め、また新年度が始まる。

このたび、米国現地時間12月17日、アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が、第96回アカデミー賞の各部門のノミネート最終候補となるショートリストを発表。「短編ドキュメンタリー部門」のショートリスト15作品の中に、『小学校〜それは小さな社会〜』から生まれた短編版『Instruments of a Beating Heart』(『ニューヨーク・タイムズ』運営の動画配信サイト「Op- Docs」にて配信中)が入った。アカデミー賞の各部門のノミネート発表は2025年1月17日、アカデミー賞授賞式は2025年3月2日に行われる(いずれも米国現地時間)。

■山崎エマ監督コメント

日本の教育に光を当てたいと思い続けて10年、このような形で作品が注目を浴び、感無量です。世界中の教育現場で、日々次世代の育成に向き合い、社会の未来を作ってくださっている教育関係者の皆様に敬意を表します。これは、中学生の頃から映画監督を目指し、情熱と覚悟をもって音と映像で何かを伝える自分流のドキュメンタリー制作と向き合ってきたご褒美と思いつつも、これからさらに精進していきたいと思います。今の自分を作ってくれた家族や仲間、撮影時はお腹の中にいて日々もっと良い未来に貢献していきたいと思わせてくれる息子、本作を一緒に制作したチーム、そして撮影にご協力頂いた多くの方々に感謝申し上げます。

『小学校〜それは小さな社会〜』は現在公開中。