彼女を快感へと導く謎めいた存在とは? 新時代のエロス描いた話題作のキー映像到着

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『エマニュエル』
(C)2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS – GOODFELLAS – PATHÉ FILMS
『エマニュエル』
『エマニュエル』

シスターフッドも描かれる現代版のエマニュエルに注目

美しくゴージャスな官能映画として日本の女性たちを色めき立たせた伝説的作品『エマニエル夫人』から50年。現代を舞台にバージョンアップした『エマニュエル』より、秘密の情事にドキドキの本編映像を紹介する。

・快感を描写! 自らの欲求に向き合い繋がること描いた、まさかの純愛映画

エマニエル・アルサンによる官能文学の傑作「エマニエル夫人」。1974年にはジュスト・ジャカン監督×シルヴィア・クリステル主演で映画化され、全世界を熱狂で包んだ。日本では、官能シーン満載なのに一般映画として公開され、大人はもちろん女子高生までもが劇場に押し寄せ、大ヒットを記録した。あれから50年の時を経て、新生『エマニュエル』が誕生する。

エマニュエルは仕事でオーナーからの査察依頼を受け、香港の高級ホテルに滞在しながらその裏側を調べ始めるが、ホテル関係者や妖しげな宿泊客たちとの交流は、彼女を《禁断の快感》へといざない――。

舞台を現代に変えて、見る者にめくるめく興奮と陶酔、さらには幸福感までも与えるエロティシズムを、大胆かつ刺激的に描き切った監督は、フランス映画界で最も重要な存在の一人となったオードレイ・ディヴァン。前作『あのこと』(22年)が世界で絶賛され、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、ルミエール賞作品賞を受賞し、英国アカデミー賞、セザール賞の監督賞にノミネートされた。その恐るべき才能が、誰もが初めて体感・体験する、全く新しい官能映画を完成させ、全世界・全世代・全セクシュアリティを翻弄する。

主演を務めるのは、『燃ゆる女の肖像』(20年)『TAR/ター』(23年)など多くの話題作で忘れ難い輝きを放ったノエミ・メルラン。共演は『インポッシブル』(12年)でアカデミー賞にノミネートされたナオミ・ワッツや、配信ドラマ『Giri/Haji』への出演や『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(21年)の監督などで注目されたウィル・シャープ、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(10年)『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のジェイミー・キャンベル・バウアー、『インファナル・アフェア 無間序曲』(03年)の香港の国民的俳優アンソニー・ウォンら国際色豊かなキャストたち。

前作『あのこと』で世界中の映画ファンを虜にした、フランス映画界の新星オードレイ・ディヴァン監督が描く、“現代版エマニュエル夫人”。エマニエル・アルサンが執筆したベストセラーの原作が「一人称で展開されている」ことに目を付け、1974年の映画版とは異なる視点から「エマニエル夫人」を映画化した。ディヴァン監督は創作する際、「女性主体のエロティシズムとはなにか?」を最重要課題として考えていたと明かしている。今回紹介する本編映像は、その顕著な例となるキーキャラクターが登場するシーンの一部だ。

ホテルの品質管理の仕事を請け負うエマニュエルは、監視室のベテラン従業員(アンソニー・ウォン)からプールの常連客ゼルダの存在を教えられる。宿泊客でもないのに、毎日のようにプールサイドで本を片手に男性客とおしゃべりをするゼルダはやがて、人が寄り付かない敷地の奥にある小屋へと消えていく。気になったエマニュエルが跡をたどると、そこには男性客と情事を重ねるゼルダの姿があった。エマニュエルの視線に気付くも焦ることのないゼルダから、エマニュエルは目が離せなくなってしまう――。

1974年の『エマニエル夫人』にも、エマニエルの社交界の友人として性に奔放なマリアンジュという若い女性が登場する。ゼルダにもその影を感じるものの、彼女の場合は自身の身体が求めるものが何であるかを知っており、エロティシズムにおいて一番大事なものは何かをエマニュエルに指南する。

本編では、やがてエマニュエルとゼルダの関係がシスターフッドに近いものに変化し、過去作では男性をとおして描かれることとなった“女性同士の連帯”を描くための大事なキャラクターとして重要な役割が与えられていることが見て取れる。男性の欲望の対象としてではなく、自らの快感のために行為をする女性の姿をとおして、オードレイ・ディヴァン監督は男女関係なく世界中の観客たちに新しい感覚を伝えている。

そして映像の冒頭にホテルの監視員役として登場するのは、香港出身の大スターアンソニー・ウォン。現在も植民地時代の名残が見え隠れする街で、激動の時代を生き抜いてきた名俳優が説得力と威厳を作品にもたらしている。

『エマニュエル』は1月10日より全国公開。

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