名優・原田芳雄の孫、15歳・原田琥之佑がベルリン映画祭を席巻! ギター好きは父の影響?
#ベルリン国際映画祭#三好銀#原田琥之佑#原田芳雄#横浜聡子#海辺へ行く道
弱冠15歳、原田琥之佑の初長編主演作『海辺へ行く道』(英題:Seaside Serendipity)が現在開催中の第75回ベルリン国際映画祭で上映され、原田と横浜聡子監督が現地の歓迎に包まれた。
・名優の血を引く14歳・原田琥之佑初主演作がベルリン映画祭正式出品の快挙、至福の人生賛歌に高い評価
「主人公にどっぷり入り込めるような環境で撮影した作品」
とある海辺の街で、のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たち。アーティスト移住支援をうたうこの街には、どこかあやしげな“アーティスト”たちがウロウロしている。夏休みを迎え、演劇部や新聞部の依頼をこなす奏介たちに、ちょっぴり不思議な依頼が、次々に飛び込んでくる……。
陽光や海と空に囲まれた小豆島ですべて撮りあげられたこの『海辺へ行く道』は、漫画家・三好銀の同名シリーズの映画化。どこか柔らかく、どこかユーモラスでおかしな「人生賛歌」というべき作品になっている。
ベルリン映画祭で、子どもを題材に扱った作品が選ばれる「ジェネレーション部門」のなかで、4歳以上が対象となるGeneration Kplusコンペティション部門に選出されている。
本作の上映前に、同部門のヘッドプログラマー、セバスチャン・マルクトは、「この物語は、日本でも珍しい、海辺に広がる“Place of imagination(創造の場所)”が舞台になっています。美しいシーンと、素晴らしい構成、マジックが体験できます」と紹介。
コミカルな要素も散りばめられた本作は、上映中に随所で笑いが起こり、上映後の観客とのQ&Aでも、場内は和やかな雰囲気に包まれた。
そのなかで、横浜聡子監督は制作の経緯を「プロデューサーの和田大輔さんから映画化しませんかと声をかけてもらったのがきっかけです。私も原作が大好きだったので、私でいいのであれば、難しそうだけどぜひやってみたいです、とお答えしまして、そこから6年ほど2人で企画を温めてやっと実現しました」と語った。
監督たちの念願であった本作の主演を務めるのは、約800人のオーディションを勝ち抜いた原田琥之佑。現在15歳という年齢とは思えない堂々たる演技を見るにつけ、祖父であるレジェンド俳優・原田芳雄の血を感じずにはいられない。
Q&Aでも撮影時を振り返って「今は15歳ですが、撮影は13歳の夏でした。(撮影を行った)小豆島は、とっても綺麗で、空気も新鮮で、空もすごく青くて、自然と(演じた)南奏介にどっぷり入り込めるような環境でした。撮影時は163cmくらいだった身長も今は173cmまで伸びました」と、堂々とした答えで場内を沸かせた。
ハマっているのはギター、一番刺激を受けている
本作のポイントとなるのが「アート」だ。本作は、今年で6回目を迎える日本最大級の芸術祭「瀬戸内国際芸術祭2025」への参加も決定しており、映画ながら現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な例となっている。
横浜監督は自身にとってのアートを「やはり学校で教えてくれないことを知ることができると思っています。私たちはどうすればいいんだろうという、さっぱり答えがわからない局面にいつも立ち向かわなければいけないわけですが、そんな時に自分が読んだ本、見た映画や絵画とか、人の思想とか、そういうものを思い出して、自分がもっと生き続けてもいいんだ、まだまだ生きていけるっていう、勇気をもらえる存在」と定義。
そして「この映画のなかでも、主役の奏介にとって芸術というものがそんな存在でずっとあり続けてほしいと思っています」と語った。
会場からは、日常的にインスピレーションを受けるものは何か、という問いに対し、原田はこう答えた。
「僕が今いちばんハマってることはギターで、毎日弾いています。いろんなギタリストの曲を弾いたり、彼らの言葉を聞いたりすることが、僕が今いちばん刺激的なインスピレーションを受ける機会になってるかな、と思います」
12歳だった3年前、デビュー作『サバカン SABAKAN』出演の際、弊サイトのインタビューで「おじいちゃんが出ていた映画の真似をしたりしていました」と語っていた原田。
奇しくも祖父が原田芳雄なら、彼の父は俳優にしてギタリストの原田喧太。そう考えると、原田琥之佑はインスピレーションの宝庫で育っていると言っても過言ではないだろう。
ここから先、より多くのインスピレーションを受けて、より存在感のある役者になっていくことが期待できるような回答であった。
O&Aは、集まった多くの観客たちからは惜しみない拍手と歓声が起こり、盛況のうちに幕を閉じた。
『海辺へ行く道』は2025年晩夏公開。
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