宮沢氷魚、だらしない妻にイライラ…育児に追われる“浪人夫”演じる『佐藤さんと佐藤さん』公開決定

#佐藤さんと佐藤さん#天野千尋#宮沢氷魚#岸井ゆきの

(C)2025「佐藤さんと佐藤さん」製作委員会
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だらしない弁護士妻と、育児に追われっぱなしの浪人夫。「佐藤さん」同士の夫婦がつむいできた生活を描く、岸井ゆきの・宮沢氷魚W主演の『佐藤さんと佐藤さん』(監督:天野千尋)が公開決定。また、4月に開催される第49回香港国際映画祭Fantastic Beats部門への出品も発表された。

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凸凹夫婦のバランスが崩れるとき……絶妙なマリッジ・ストーリー

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ダンス好きの活発なアウトドア派・佐藤サチ(岸井ゆきの)と正義感の強い真面目なインドア派・佐藤タモツ(宮沢氷魚)。正反対な性格なふたりは、なぜか気が合ってほどなく交際、同棲を始める。

それから5年が過ぎた。弁護士を夢見るタモツは、司法試験を受けるが不合格が続くが、あきらめず挑戦し続けるタモツを応援するサチ。会社員として働いていたサチは、孤独に頑張るタモツを助けようと、一緒に勉強をはじめる。

すると、相変わらずタモツが不合格する一方で、サチが司法試験に受かってしまった。申し訳ない気持ちのサチと、プライドがズタズタのタモツ。そんななか、サチの妊娠が発覚し、ふたりは結婚することに。

産後すぐに、弁護士として働き出し忙しい毎日を過ごすサチに対し、 タモツは、塾講師のアルバイトをしながら家で息子の世話、その片手間に司法試験の勉強をしている状態に。

そんな生活のなか、忙しいサチが息子の支度を忘れたり、家でのだらしない姿にタモツはイライラが募る。育児に対する考え方もまったく違うふたりは対立し、絶妙に保たれていたはずのバランスは次第に崩れだす……。

本作のメガホンを取るのは、天野千尋監督。隣人との危うい関係をシニカルに描いたサスペンス・コメディ『ミセス・ノイズィ』(20年)、NYジャパンカッツ観客賞、日本映画批評家大賞脚本賞を受賞している。

天野監督は“夫婦”をテーマにしたオリジナルストーリーを振り返り、「オリジナルの醍醐味は、果てしなく広がる自由な世界の創造主になれることですが、それはこのうえなく孤独で苦しい道のりでもあります。だからこそともに歩んでくれる脚本の熊谷(まどか)さんの存在が大きな力になっています」と語る。

加えて、サチ役に迎えた岸井ゆきのの印象を「ひとことでいうなら『芯』の人です。芯がある人、という表現ではもの足りない、芯そのものという感じ。ひとつも嘘のない、誠実でまっすぐな芝居を見せてくれました」と言う。

さらにタモツ役の宮沢氷魚については「とにかく慈しみあふれる人で、タモツという人物に愛情を注ぎ、大事に大事に育ててくれたと感じています。その温度は今もなお画面からもあふれてきて、私の心を温めてくれます」と見た目も中身も凸凹なふたりを演じた俳優に賛辞をおくる。

今回W主演のサチとして参加した岸井ゆきのは「どうしてわかり合いたい人とこそすれ違い、分かち合いたいことも、ほんとは楽しいはずの会話も、余計なひとことや不要な思いやりによって手のひらからすり抜けていくのだろう」と、ふたりのもどかしい関係に想いを馳せた。

そのうえで「佐藤さんと佐藤さんの激しくて楽しくて切なくてうれしい数年間の記録が、どこかであなたの人生と重なりますように」と、ふたりの物語が観客ひとりひとりに届くようにと願いを込めている。

宮沢は、岸井との共演を「とてもチャーミングな方で、撮影初日からお互い心を開いて、タモツとサチをしっかりと演じられたと思います」と初めての共演ながら、息がぴったりだったことを明かした。

さらに「初めて脚本を拝読したときからふたりの佐藤さんの関係がどこかシュールで、でもリアリティに満ちあふれていて引き込まれました。夫婦であっても、苗字が同じでも、やはり他人同士。そんなふたりの歩む人生をぜひご覧いただければと思います」と本作の魅力を伝えている。

社会のなかで生きる誰もが経験すること

時代に沿ったマリッジ・ストーリーとなった本作は、4月10日〜4月21日まで開催されるアジアを代表する国際映画祭・第49回香港国際映画祭「Fantastic Beats部門」に出品が決定。若年層の観客に向け上映される部門として、昨年は岡田将生主演の『ゴールド・ボーイ』(監督:金子修介)が上映されている。

公開まで期待が高まる本作について、天野監督、岸井、宮沢が寄せたコメント全文を以下にご紹介する。

■天野千尋監督

本作で描かれる15年間で、ふたりの佐藤さんはゆっくりと変化していきます。子どもから大人になり、社会に出て、それぞれの立場で役割を担っていく。ひとりは弁護士に、ひとりは主夫に。立場が違うと、眺める世界もちょっとずつズレてくる。そのうち相手の目にいったい何が映っているのかわからなくなる。理解できないと怒ったり、憎んだり、切り捨てたりする。佐藤さんに限らず、これは社会のなかで生きる私たち誰もが経験することです。

「他者」をどう理解するか、どう折り合いをつけていくかを、私たちはずっと考え続けなければならないと思っています。

■岸井ゆきの

どうしてわかり合いたい人とこそすれ違い、分かち合いたいことも、ほんとは楽しいはずの会話も、余計なひとことや不要な思いやりによって手のひらからすり抜けていくのだろう。

私には夫婦の“普通”がわからないけど、家族というのはあまりにも普遍的で、それぞれがあまりにも特別なのだと思う。

佐藤さんと佐藤さんの激しくて楽しくて切なくてうれしい数年間の記録が、どこかであなたの人生と重なりますように。

そして、見逃しそうな幸せをどうか見逃しませんように!

■宮沢氷魚

初めて脚本を拝読したときからふたりの佐藤さんの関係がどこかシュールで、でもリアリティに満ちあふれていて引き込まれました。

岸井さんとは初めての共演でしたがとてもチャーミングな方で、撮影初日からお互い心を開いて、タモツとサチをしっかりと演じられたと思います。

天野さんはとても柔軟な方で、スタッフや役者と意見を交換しながら撮影を進められたので、ともに作り上げた感覚がとても強いです。

夫婦であっても、苗字が同じでも、やはり他人同士。そんなふたりの歩む人生をぜひご覧いただければと思います。

『佐藤さんと佐藤さん』は2025年秋、全国公開。