映画作りと米作りを兼業する安田監督に、農政への質問相次ぐ
自主映画ながらも第48回日本アカデミー賞で優秀作品賞ほか7部門受賞という快挙を果たした大ヒット映画『侍タイムスリッパー』。その記者会見が日本外国特派員協会で行われ、安田淳一監督と主演俳優の山口馬木也が登壇した。米価格の高騰が続いている世情を反映してか、映画作りと米作りを兼業していることでも有名な監督に農業にまつわる質問が相次いだ。
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米作りについて「日本の米作りの状況は厳しく、1袋作ると1000円近い赤字が出る」と安田監督。「何とか映画がヒットしたので、おかげさまでこれから数年は安心して米を作っていける」と笑みを浮かべるも、一息付けたのは監督個人にすぎないと続け「日本の農家全体でいうと、すごく重い問題がずっと横たわったままです」と憂えた。
その問題とは“国の政策”で、安田監督は「今、お米の値段が高いと言われてますが、実際には30年前のお米の値段に戻っただけなんです。かいつまんで申しますと、国の政策によって日本の米作り農家はずっと振り回されてきました。その結果、今の状況がある。農家の自助努力ではもうなんともならない状況で、何かしら大転換が国政において行われないと、日本の農家はやっていけないと思います」と厳しい表情を浮かべた。
米農家の年収は“1万円”と言われており、「時給で言うと1〜100円の間。僕は1.5ヘクタールほどの米農家だが、年間数十万円の赤字になっている」と現場の窮状を訴えた。
そんな過酷な中でも米作りを続ける理由について安田監督は「父や祖父が一所懸命頑張ってきたから米作りを残したい」と語り、思わず涙ぐむ場面も。隣の山口馬木也が差し出したティッシュで涙を拭うと、「日本のお米を守るために闘っている状況。百姓の倅が侍をネタにして映画をヒットさせたから米作りが続けられるので、個人的な百姓一揆が成功したような気持ち」と微笑んだ。
安田監督には米作りをテーマにした『ごはん』という作品もあるが、「こちらは大規模農家を継ぐことになった女性の闘いを描いた作品ですので、ぜひご覧ください」とPRも忘れなかった。
『侍タイムスリッパー』はロングラン上映中。
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