「BLアワード2025」結果発表&ライターお気に入り作品をレビュー!

#BL#BLアワード#お前のほうからキスしてくれよ#真夜中の俺を見て#能美先輩の弁明

BLアワード2025
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『体感予報』や『ギヴン』など映像化された入賞作も

BLファンが注目する年に1度のお祭りといえる「BLアワード2025」が2025年4月18日に発表された。「BLアワード2025」は商業BLレビューサイト「ちるちる」によるBL界の賞レース。2024年に発売された商業BL作品を読者投票によって決定したランキングで全11部門となっており、2009年から始まり、今回で16回目となる。

甘くてセクシー! 実写化の心配は杞憂だった『体感予報』のこじらせ愛にドキドキ

これまでには「コミック部門」で『体感予報』や『オールドファッションカップケーキ』が1位を獲得したり、「シリーズ部門」で『ギヴン』が1位になったりと、この「BLアワード」に入賞した作品がドラマ化やアニメ化されるなどメディアミックス展開されることが多い。実際の人気と合致していることと合わせて、入賞すればBLのみならず映像業界からも注目されるアワードなのだ。

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「総合コミック部門」1位は、正反対の二人が惹かれ合う『能美先輩の弁明』

そんな「BLアワード」で目玉となるのはやはり、アカデミー賞の作品賞に匹敵する「総合コミック部門」で1位に輝いた作品。今回は、大麦こあら原作による『能美先輩の弁明』が獲得した。本作は哲学科を専攻する正反対な大学生2人が体の関係から始まり、恋に落ちるまでを描いている。女性にもお金にもだらしないゆるクズな能美先輩と、クールで真面目で生意気でオープンゲイの瑛人、水と油な彼らが自分のなかで葛藤しながら惹かれ合うようすにキュンキュン。哲学だからと言って決して小難しくはないけれど、人生を論理的に考えていて、自己肯定感低い能美先輩も人生を心の底では諦めていないと思わせてくれるのもいい。「エモーショナル部門」でも1位受賞も納得の結果だ。

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何度でも泣ける『お前のほうからキスしてくれよ』

2位はやまやで原作のサラリーマンの同僚同士を描いた『お前のほうからキスしてくれよ』。友だちとして心地よい関係だからこそ関係を壊したくない、人に見せたくない自分の弱い部分も受け止めてくれる相手に惹かれていくといった、繊細な心の機微が伝わってきて感情移入が止まらない。筆者は何度もリピ読みして読むたびに泣けてしまう等身大のラブストーリーだ。ネクストブレイク部門として注目度の高い「次に来る部門」でも1位を受賞している。

『真夜中の俺を見て』はベッドシーンも多め

3位には「フェチ部門」でも堂々の1位に輝いたLuria原作の『真夜中の俺を見て』がランクイン。ここ数年人気が高まってきていて、筆者も大好きなVtuberもの。明るくポジティブなVtuber・まひるの中の人である、メンタルやばくて自己肯定感低い真夜と、ご飯からメンタル、体まで甲斐甲斐しくお世話するマネージャー・荻野を描いている。「いじめられたい」という真夜の潜在的な願望を、荻野が甘やかして執着してSとして奉仕してあげる。心も体も甘やかされてとろとろどろどろになってる真夜を見ていると多幸感でいっぱいになるはず。

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これら3作は突飛なファンタジー設定などでなく、どれもリアルで実写化向きと言えるものばかり。『真夜中の俺を見て』はベッドシーンも多いけど、『体感予報』が実写化成功しているなら難しくないのではないだろうか。この3作のなかから、あるいは全部実写ドラマ化されてもおかしくないだろう。

激重愛にクラクラ!『ヒーリングパラドックス deeper』などもお気に入り

また、「BLアワード2025」で他にも筆者が気になった作品を紹介しよう。「webtoon部門」は1位受賞のByeonduck原作『夜画帳』をはじめ韓国発BLのランクインが多く、熱く盛り上がるパワーが感じられた。

また、筆者の超お気に入りは「シリーズ部門」ノミネートの昼寝シアン原作『ヒーリングパラドックス deeper』で、イケメン溺愛攻めに執着と変態が入っていて、激重愛にクラクラしてしまう。1巻も良かったが、続編はさらに凌駕する異常な愛に読んでるほうも窒息しそうでクラクラ度もアップ!

「エモーショナル部門」ノミネートのゆいつ原作『離れられない、逃してやれない』も非常に良い。幼なじみ同士の寡黙で一途なヘタレ攻めと漢前な美人受けの2人は、肉感的な体も含めて萌えの宝庫だ。

 

ギャップ萌えに悶絶する『巣箱の王子様』

「総合コミック部門」「エモーショナル部門」にノミネートされた秋平しろ原作の『巣箱の王子様』はゆるふわなエリートサラリーマン、浅桐さんがかわいくも切なくギャップ萌えに悶絶。とんでもない“秘密”が衝撃的で笑えるのに、その理由には落涙必至だ。

難聴の大学生と売れない俳優の出会いを描く「エモーショナル部門」にノミネートされた厘てく原作『カメレオンはてのひらに恋をする。2』もおすすめ。表現とコミュニケーションがダイナミックな絵で描かれて圧巻。

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「総合コミック部門」「ディープ部門」にノミネートされた、くれの又秋原作『メイジ―・ラヴを綴って』は紳士なのかヤバい男なのかつかめない攻めの色気が半端ない。「フェチ部門」候補のツブキ原作『恋わずらい穴わずらい』は不器用な2人が切なくもかわいらしく、「ディープ部門」候補のARUKU原作『雨傘で凌げないほどの恋』は相変わらずのストーリーテリングで1本の映画を観たような充足感があり、「エモーショナル部門」候補のはなぶさ数字原作『藍より愛し』は成長する年下攻めの良さを改めて噛み締められる一作だ。

2024年の人気作がギュッと詰まった「BLアワード2025」。お気に入りの作品を見つけるのも楽しく、映像化が多い傾向にあるから先取りの楽しみ方もある。BL好きな方にはぜひチェックして欲しい。(文:牧島史佳/BLライター)

◆「BLアワード2025」特設サイト(結果発表)
(https://www.chil-chil.net/blAwardRank/y/2025/)
◆「BLアワード2025」投票サイト(ノミネート作品一覧あり)
(https://www.chil-chil.net/blAwardNominate/e/2025/t/4/?anc=anchor01)

 

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