コロナ影響で40年ぶりの延期、2021年のアカデミー賞授賞式は4月開催

#映画 2020.06.20

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、大作映画の公開が軒並み延期されている中、毎年2月に開催するアカデミー賞授賞式が来年は2ヵ月延期され、4月に行われることが明らかになった。

アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは15日（現地時間）に、第93回アカデミー賞授賞式中継を4月25日（現地時間）に延期すると発表した。当初は2021年2月28日（現地時間）に授賞式開催と米ABCでの放映と全世界への中継が決定していた。

5月中旬頃から、来年の授賞式の開催延期が検討されていると伝えられていが、今年初めから続く新型コロナウイルスの感染拡大がいまだに収束しない事態を受けて、例年は2月下旬か3月に行われていた授賞式の延期が正式に決定。多くの新作映画が上映の中断や公開延期となり、候補作品の条件も変更された。

第93回アカデミー賞の選考対象となる作品は、2020年1月1日（現地時間）から2021年2月28日（現地時間）までロサンゼルスの映画館で1週間以上上映されたもの。通常の公開期間は、開催日前年の1月1日から12月31日までとされていたが、第93回に限って特別なルールが設定された。

アカデミー会長のデヴィッド・ルービンとCEOのドーン・ハドソンは「1世紀以上にわたり、映画は最も暗い時期にある私たちを癒し、インスパイアし、楽しませてきました。今年もまさにそうです。私たちの望みは、選考期間と授賞発表を延長することで、私たちのコントロールを超えた不可抗力によって不利になることなく映画製作者たちが作品を完成、公開するのに必要な柔軟性を提供することです」「今回のオスカーと私たちの新しい博物館の開館は、世界中の映画ファンが映画によって集う、歴史的な瞬間になるでしょう」とコメントを発表した。

今年2月のアカデミー賞授賞式で、12月に開館予定と発表されたロサンゼルスのアカデミー映画博物館の開館も延期となり、開館時期は2021年4月30日に延期された。

アカデミー賞開催延期の発表を受けて、通常は米アカデミー賞の2、3週前に開催されることの多い英国アカデミー賞も、発表と授賞式を4月11日（現地時間）に変更すると発表した。

オスカー前哨戦として毎年1月に行われる、ハリウッド外国人記者協会（HFPA）主催のゴールデングローブ賞の発表と授賞式の時期はまだ確定していない。

アカデミー賞授賞式が延期されるのは今回が4度目。1938年（第10回）にはロサンゼルスで大洪水が発生したときと、1968年（第40回）にマーティン・ルーサー・キングJr.牧師の暗殺事件のとき。そして今回は、1981年（第53回）にロナルド・レーガン大統領暗殺未遂事件が起きて以来、40年ぶりとなる。