ジョニー・デップがイギリスのタブロイド紙「The Sun」を名誉毀損で訴えた裁判が、先月28日(現地時間)に終わりを迎えた。
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デップは、2016年に離婚した元妻のアンバー・ハードに対して婚姻中に暴力をふるったとして、The Sun紙に「Wife Beater(妻を虐待する者)」と記事に書かれ、同紙を発行するNews Group Newspapers(以下NGN)を名誉毀損で訴えていた。
The Sunは2018年4月、デップがハードに暴力をふるったと報じたが、デップ側はDVの事実を否定し、ハードが嘘をついていると主張した。裁判ではハードがNGN側の証人となり、当時のプライベート写真や音声などを提示しながら、デップに激しい暴力をふるわれたと証言、両者は真っ向から対立した。
デップは、離婚を決意した理由が、アンバーと彼女の友人がデップのベッドに排泄物を残したことだと主張、自宅で口論が激化した際にデップがハードに頭突きなど暴行を加えたことも「意図的ではない」と否定すると、ハードは2015年の新婚旅行中に書いたとする日記を証拠として提示。デップと「凄まじい喧嘩」をしたことや、シャツで首を締められそうになったことなどが書かれていた。デップ側はハードが婚姻中に複数の相手と関係を持っていたとし、2015年、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の撮影でオーストラリア滞在時にデップが右手に重傷を負って撮影が中断されたのは、ハードと口論中に激昂した彼女がウォッカなどのボトルを投げたものが当たったからだと主張するなど、身も蓋もない中傷合戦が繰り広げられた。
裁判にはデップの元恋人のウィノナ・ライダー、2児をもうけた元パートナーのヴァネッサ・パラディの証言が予定されていたが、両者とも出廷はキャンセルし、声明文を提出した。1989年から93年まで交際したライダーは「彼が私に対して暴力的だったことは一度もありません。私を虐待したことはありません。私の知る限り、彼は誰に対しても暴力的、虐待的ではありませんでした」と綴った。1998年から2012年までパートナーだったパラディはハードの主張について「私が知る本当のジョニーとは全く違うものです。私の個人的経験上、彼は私に暴力的、虐待的だったことは一切ないと言えます」と綴った。
NGN側はハードが未送信のまま保存していたとするデップに宛てたメールの全文を公開。デップが「ジキル博士とハイド氏」のような人格で、アルコールやドラッグの影響で暴力をふるったことを糾弾する内容だった。そのうえでNGN側は、アルコールやドラッグに溺れていたデップは当時の暴行を記憶していないのではないかと指摘した。
デップ側はアルコールやドラッグの使用は認めながら、DVについては全面否定の姿勢を崩さず、「デップ氏にとって重要なのは、ひどい憶測についての汚名を晴らすことです」「金銭の問題ではありません」と主張した。
28日に高等法院から出てきたハードは集まった報道陣に「今回の裁判を起こしたのは私ではありません」「私は法廷に立つことは望んでいませんでした」「ジョニーとの生活での最もトラウマ的な出来事の数々が法廷や報道によって世界中に知れ渡るのは信じられないくらい辛いことでした」と語った。
一方、デップはコメントはせず、集まったファンたちの声援に手を振って応えながら裁判所を後にした。
裁判の判決は9月以降になるものと見られている。
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