アメリカの人気トーク番組『エレンの部屋』について、働く環境の悪さを訴える声が複数スタッフから上がり、ホストを務めるエレン・デジェネレスが長年続いた番組の終了を望んでいると報じられている。
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アカデミー賞授賞式の司会を務めたこともあるデジェネレスが司会を務め、ゲストのセレブと軽妙なやりとりが人気の『エレンの部屋』は、2003年から続く長寿番組。だが、今年4月に一部スタッフより、給料の未払いなど不当な扱いを訴える声が上がり、続いてデジェネレスと同番組の企画で仕事をしたことのあるオーストラリアのDJが、その際にデジェネレス側のプロデューサーに「誰もエレンに話しかけないように。近づかず、彼女を見ないように」と指示されたと話すなど、異様な環境が報道された。
7月にはニュースサイト「BuzFeed」に元スタッフ10名と現スタッフ1名が匿名で「劣悪な職場環境」について証言、製作総指揮によるえこひいきや無自覚の差別、人種差別に満ちていると語った。
「みんなエレンがどんなに意地悪か、という噂ばかりに注目していますが、それは問題の本質ではありません」と彼らの1人は言い、「問題は製作総指揮者3人です。すべてを仕切り、いじめと意地悪が横行する環境を作っています。彼らは『気に入らないのなら、やめればいい。誰もがここで働きたいのだから、私たちは誰か別の人間を雇うだけだ』と考えているのです」と訴える。
元スタッフのアフリカ系の女性は他のアフリカ系スタッフと同じ髪型というだけで、「2人とも同じ髪型だ。私に見分けがつくといいけど」と言われたり、パーティで番組ライターから「悪いね。白人のスタッフの名前しか知らないんだ」と言われ、それを聞いていた同僚たちから笑われた経験を語った。
これを受けて番組には第三者機関による内部調査が入り、製作総指揮の1人が解雇された。沈黙を続けていたデジェネレスは7月30日(現地時間)に声明を発表。
「ある日の番組のミーティングで、私はみんなに『エレンの部屋』は幸せな場所になると話しました。誰も声を上げず、全員に敬意を払う場所になると。なのに明らかに何かが変わってしまいました。そうではなかったことを知って失望しています。あなた方の貢献なしに私は成功することはできませんでした。番組には私の名前がついていて、私たちのすること全てに私は責任があります」と綴り、「このようなことが2度と起きないようにします」と環境改善に取り組む姿勢を示した。
その一方でデジェネレスは、自身の評判を回復するためには番組を終了するほかないと考えているとも言われている。番組は新型コロナウイルスの蔓延を受けて3月からは無観客で、4月からはデジェネレスの自宅からリモートで放送されていた。
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