伝説の写真家バート・スターンの監督映画が4Kで! DVDでも入手困難な『真夏の夜のジャズ』を劇場で体感しよう
今年は夏フェスの中止や延期が相次ぎ、FUJI ROCKやTOKYO Jazzなどオンラインで行われたイベントで心癒やした方も多いだろう。
そして気づけばもう8月も終わり。ようやく再開された映画館に少しずつ足を運ぼうという映画ファン、音楽ファンの方々に、いましばらく夏の気分を味わってもらえる作品を紹介する。
1958年に開催されたアメリカ最大級の音楽フェスティバル「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」の模様を写し取った映画作品だ。4日間におよぶ夏フェスの模様を捉えたドキュメンタリー作品『真夏の夜のジャズ』が、日本公開60周年を記念して『真夏の夜のジャズ 4K』として劇場公開されている。
監督は、当時新進気鋭の写真家として活躍していた当時若干28歳のバート・スターン。雑誌「VOGUE」「LIFE」のほか、マリリン・モンロー最後のカットと言われる「The Last Sitting」など数多くの広報写真で知られる。1962年にはスタンリー・キューブリックの映画『ロリータ』で主演のスー・リオンのご存じハートのサングラスでキャンディを舐めるあの写真も撮影している。
スターンは、10代の頃にルック社の同僚だったスタンリー・キューブリックと親交が厚く、揃ってジャズ好き。スターンがニューポート・ジャズ・フェスティバルの発起人夫妻から受けた映画化の依頼を引き受けたのも、思いつきではないだろう。
そんな若き天才写真家の視線で捉えたジャズフェスティバルは、単なる演奏会場と演奏の収録ではなく、演奏会場外の様子や当時のカルチャーを情緒豊かに描くミュージックビデオのような雰囲気。いわゆる説明ではなく、広告写真家ならではのPOPな感性で時代のありようを描き出す。
当時を偲ぶジャズファンがサッチモ(ルイ・アームストロングの愛称)ら名ジャズメンの勇姿を目撃して歓喜するのはもちろんのこと、そうでなくても当時の新鮮な映像と音楽に、映画ファンなら没頭して楽しめること請け合いだ。4K修復されたことも相まって、鮮やかなひと夏のシーンの数々は今見てもスタイリッシュ。その感性に魅せられるだろう。
芸術と記録の狭間で議論となった映画と言えば、市川崑監督の『東京オリンピック』があり、4Kリマスター版が国内盤ブルーレイ(HD収録)が6月に発売されたのも記憶に新しい(北米・クライテリオン盤もあり)。『真夏の夜のジャズ 4K』がこのマスターを使ってBDないしUHD BDになる日を楽しみにしつつ、この夏劇場で楽しもう。(文:fy7d)
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