真実への強い思い貫く! ネット配信スタートの実写版『ムーラン』はアニメ版との違いは?

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ムーラン
『ムーラン』
2020年9月4日よりディズニープラス会員、プレミアアクセスで独占配信
(C)2020 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
ムーラン

ディズニーアニメの実写映画化『ムーラン』が9月4日から動画配信サービス「ディズニープラス」でプレミアアクセスとして配信を始めた。アメリカやヨーロッパでは営業を再開した映画館が少ないことから、ディズニープラスのサービスを実施している国では劇場公開せずに配信。日本では9月4日に劇場公開を予定していたが、ディズニープラスで配信することになった。プレミアアクセス料金2980円を追加で支払うと視聴が可能となる。

『ムーラン』のストーリーと見どころを解説しよう。はるか昔の中国、北方からの侵略者と戦うため、皇帝は「すべての家から男性を一人ずつ徴兵せよ」との命令を下す。息子がいないファ家では年老いた父親が従軍しようとするが、長女ムーランが男性と偽って戦地へ赴く。

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本作のムーランは、アニメ版と異なり、幼いころから武術に長けている。新兵の訓練で技に磨きをかけ、戦場では馬に乗りながら弓矢を放ったり、刀を巧みに操って敵を倒す。

ムーランは女性であることを隠しながら仲間たちと訓練を続けるが、次第に嘘をついていることが心苦しくなる。持参した父の刀に刻まれた「忠」(忠義)、「勇」(勇気)、「真」(真実)の文字を見て、「真実を打ち明けたい」と強く思うようになる。この点もアニメ版との大きな違いだ。

ニキ・カーロ監督は「『ムーラン』についての私のビジョンは、最新の映像技術を使って、この物語を壮大かつ感動的に、しかもリアルな方法で語ること。ファンがムーランというキャラクターに深い思い入れを持つ理由は、彼女の本質にあると思う。ムーランは従順な娘で、愛情深く勇敢な人間だけれど、傷つきやすく、誤りを犯しがちな面もある。そんな彼女が知性と機転と強い意志で、幾多の困難を乗り越え、恐ろしい敵を倒す」(プロダクションノートより抜粋。以下同)

主演のリウ・イーフェイは数化月に渡り過酷なトレーニングを積んだ。「他の作品では、剣術だけとか、武術だけとか、単一のものをトレーニングすることが多い。だが今回は、あらゆることに対して肉体の準備ができていることが求められていたから、とにかく基礎的な身体訓練をした。毎朝まず2時間のワークアウト、それからさらに2時間、武術の練習をした」。

ムーランのいる帝国軍と北方からの軍隊がぶつかり合うバトルシーンは900人のエキストラが参加し、見応えたっぷり。20ヵ所におよぶ中国ロケで撮影された雄大な風景や、セットで再現された宮殿や豪華絢爛な玉座の間も実写映画らしいスケール感にあふれている。

さらにアニメ版で印象的な、ムーランが雪崩を引き起こすシーンも実写化されている。「実写ではものすごい威力を持った雪崩を描くことができるから、アニメ版のファンも、あのシーンに生命が吹き込まれたのを見て、とても興奮してくれると思います」(カーロ監督)。

アニメ版の人気キャラクター、守護竜ムーシューや幸運のこおろぎクリキーは実写版では登場しない。ムーシューがアニメ版にコミカルな味付けをしていたが、実写ではシリアスな趣が強くなった。

ムーランの脇を固める俳優陣はアジアを代表する人気スターがそろった。ムーランを指導する帝国軍のタン司令官を演じるのはドニー・イェン。武術の達人らしく、新兵の指導場面や敵との戦闘では数々の華麗な技を披露している。オリジナルキャラクターとして登場する魔女シェンニャンをコン・リー、皇帝をジェット・リーが演じている。(文:相良智弘/フリーライター)