No1に上り詰めたBTSの7人が秘めたる思いを吐露。映画『BREAKE THE SILENCE: THE MOVIE』
2013年にデビューした7人組ボーイズグループBTS(防弾少年団)出演の映画『BREAKE THE SILENCE: THE MOVIE』が9月10日の全世界同時公開になる。日本では全国200以上の劇場での上映が予定されている。
もはや社会現象! BTSのドキュメンタリー映画が9月10日公開
BTSが世界で受けているワケ
BTSの特徴の一つは、彼らのメッセージ性にある。
メンバーが作詞作曲に参加。当初はRMのラップを中心としたHipHopアーティストとしての色彩が濃く、学校を舞台に、若者に向けられる抑圧や偏見に対する苦悩を歌にして力強いダンスとともに社会問題を訴える姿勢が強かった。2014年に日本デビューを果たし、2015年に「I NEED YOU」で学生の枠を飛び出し大人へ向かう青年の苦悩へとテーマも成長。2016年には「FIRE」で“それでも前進する”という強さを持ち合わせ、続く「Blood Sweat &Tears」ではセクシーさを加える。その結果が、2017年以降の世界的なアイコンへの成長につながる。
もうひとつの特徴は、ストイックな練習の賜物から生み出されるシンクロダンス。
「DNA」(2017)のミュージックビデオはYouTube再生回数はいまや10億回を超えている。「Boy With Luv」(2019)は24時間で最も再生された動画としてギネス入りした。
英国ビルボードチャートは、2018年にアジア圏初の初登場1位を獲得して以来常連となり、最新曲「Dynamite」もアルバムチャートで初登場1位。YouTubeの動画再生回数も発売2週間で3億回に迫るなど勢いはますます加速している。
このあたりは先に公開されたBTSのドキュメンタリー映画『Burn the Stage: The Movie』(2018)や『BRING THE SOUL: THE MOVIE』(2019)がその活躍と舞台裏を伝えている。
本作で語られる、ツアー活動を通じた“自分探しの旅”
本作はその第3弾にあたる。最終的に大賞を総ナメにした2019年、全10都市を巡ったワールドスタジアムツアー「LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF」に密着したドキュメンタリー映画だ。韓国アーティストとしてはじめて英国ウェンブリースタジアムで単独公演を果たすといった快挙の裏で、個人としての自分とのギャップにどう向き合っているかが中心に描かれている。
映像は、7人ひとりひとりに対するインタビュー中心で描かれていく。興味深いのは、当然と言えば当然なのだが、7人がそれぞれまったく違う思いを抱え、それぞれが自分なりに解決しようと“探している”こと。
それを象徴するように、とくに前半は森や芝生などのグリーンを背景に語る静かなシーンが多い。長いツアー体験と移動は、彼らにとってひとつの思索の旅なのかも知れない。
そして彼らを最終的に支えているのは、ARMY(ファンの呼称)であることも分かる。ファンを味方にすることで、様々な“騒音“も振り払えるし、楽しめるのだと。思い返せば、彼らは授賞式のスピーチでいつもいのいちばんに「ARMY~!」と叫んでいる。
本作を見た後に「ON」(2020)のミュージックビデオを見直すと、その歌詞の意味も、武装してシンクロする様々な人種に見えるバックダンサーも、より真実味が増して見る側に迫ってくる。
監督は過去2作品と同じパク・ジュンス。前日まで販売するローソンチケットの前売り券(¥2,000/税込)には特典としてメンバー別7種類のマスクケースがランダムで付属する。(文:fy7d)
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