世界規模で『ムーラン』ボイコット拡散。香港の民主活動家・周庭も呼びかけ

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周庭
周庭氏のツイッターより

「観ないでください」

ウイグル自治区での一部撮影が世界的に問題視されるディズニー映画『ムーラン』について、香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏が17日、ツイッターやYouTubeでそう呼びかけた。

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周庭氏は香港の民主活動家で、昨年には逃亡犯条例改正に反対する抗議活動にも参加。しかし、香港国内で国家安全維持法が可決されたことを受けて今年8月10日、同法違反の容疑で香港警察に一時逮捕されたことも(翌11日、保釈)。

周庭は今回、堪能な日本語を使って「ディズニー映画『ムーラン』が公開されましたが、世界中で多くの人がボイコットしています。皆さんも、観ないでください」とツイート。その理由としてウイグル自治区における強制収容所問題、香港警察を支持する主演女優リウ・イーフェイを挙げた。

翌18日、周庭氏は再び『ムーラン』に言及。「昨日の『ムーランを観ないでください』はちょっと強すぎたかもしれませんが、中国の厳しい人権状況の下、映画館に入る前にもうちょっと考えていただけたらと思います。 『作品に罪はない』のコメントをいただきました」とツイート。「残念ですが、この映画は新疆や香港問題と関連していて、ディズニーは未だに新疆当局との関係を説明していません。お金を払って映画を観ることは、そういう行いを黙認、または支持することになってしまいます。『映画は政治と関係ない』と思う人がいますが、今回は、関係あります」と批判姿勢を貫いた。

なお日本国内では、『ムーラン』の劇場公開は中止され、9月4日より動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」で有料配信されている(会員料金に追加して、プレミアアクセス料金2980円の支払いが必要)。世界規模で「#BoycottMulan」(『ムーラン』の鑑賞をボイコットしよう)というハッシュタグが拡散し、中国での興行収入もおもわしくないと一部で報道されている。

ウイグル問題に加え、新型コロナウイルスの感染拡大や作品自体の低評価など様々な要因が絡み、『ムーラン』を取り巻く状況は依然厳しい。