9月18日から公開された『TENET テネット』が大ヒットのスタートを切った。公開後の土日2日間で興行収入約3億2680万円。これは『ダンケルク』とほぼ同じ成績だ。22日までの5日間では興収約7億5300万円。このまま着実に興収を伸ばせば『ダンケルク』の最終興収16.4億円を上回る可能性が高い。
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全国で映画館が再開されて以降、『ドクター・ドリトル』『ランボー/ラスト・ブラッド』『ソニック・ザ・ムービー』『透明人間』『ミッドウェイ』といった洋画が公開されているが、いずれも興行的に振るわなかった(健闘しているのが『2分の1の魔法』で興収約8億円)。
夏興行を支えたのは『今日から俺は!!劇場版』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『映画ドラえもん のび太の新恐竜』などの邦画で、9月に入ってからも『事故物件 恐い間取り』『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』と邦画のヒットが続いている。『テネット』は全国週末動員ランキングで1位をとなり、ようやく洋画にヒットが生まれた。
『テネット』公開にあたり、IMAX上映館ではクリストファー・ノーラン監督の過去作を連続上映し、洋画ファンを引き付けてきた。7月10日から『ダークナイト』、7月31日から『ダンケルク』、8月14日から『インセプション』、9月4日から『インターステラー』。『テネット』もIMAXの集客は絶好調のようだ。
『テネット』のヒットでようやく洋画に明るい兆しが見えたが、後に続く洋画大作がない。ハリウッドメジャー大作では9月25日公開予定の『キングスマン:ファースト・エージェント』が21年に、10月9日公開予定の『ワンダーウーマン1984』が12月25日に、10月23日公開『ナイル殺人事件』が12月18日(全米公開)に延期された。アメリカではニューヨークやロサンゼルスなど大都市の映画館が営業休止中のため、新作の公開が延期され、日本でも同じように延期となっている。『テネット』に続くメジャー大作は11月20日公開の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』。洋画の復活にはしばらく時間がかかりそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)
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