インテリアが話題になった映画『ホリデイ』。隙のないハリウッド豪邸&英国石造りの家
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映画『ホリデイ』は、2006年のアメリカ映画。監督は、『マイ・インターン』『恋するベーカリー』と同じナンシー・マイヤーズ。
キャリアウーマンとして成功していたふたりが、クリスマスを前にパートナーと別れたのをきっかけに、ハリウッドとロンドンにあるそれぞれの家や車を交換。いわゆる“ホーム・エクスチェンジ”を題材にしたロマンチック・コメディだ。今回は、映画の中のインテリアという観点から見直してみよう。
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インテリアに隙がない、ハリウッド豪邸
本作で注目したいのは、このふたりのライフスタイルとその家のインテリアだ。
映画の予告編を年に75本も制作する豪腕経営者のアマンダ(キャメロン・ディアス)は、ハリウッドスターが住むLAサンセット大通りの豪邸に住んでいる。
とにかくゴージャスで、プールやシアタールーム、ジムまで完備。家の広い玄関にはシャンデリアが下がり、リビングには定番の暖炉、キッチンには巨大な大理石のカウンターがある。仕事柄、もちろんDVDで映画も見放題なのは映画ファンにはたまらない。アマンダの元カレの代理で来たマイルズ(ジャック・ブラック)と出会うエピソードでは、モリコーネのニューシネマパラダイスが流れる演出も。
広くてたくさんの部屋があるが、総じて白を基調に、ダークブラウンを加えて色調を整えている。ひとことでいえば、隙のない完成されたインテリアだ。
インテリアに温もり。ハニーカラーの英国レンガ造り
一方、ロンドンの新聞記者アイリス(ケイト・ウィンスレット)は、郊外にある広くはないが昔ながらの素敵な石造りの家「ローズヒル・コテージ」に住んでいる。
このロンドン郊外のコッツウォルズは、英国でも有数の自然が残されたエリアで、このハニーカラーのライムストーンを使った石造りの町並みに憧れて、イギリスの芸術家も移住するほど。羊もいてメルヘンチックなその場所は、クリスマス前とあって雪景色で一層ロマンチックになっている。
寒い屋外とは対照的に、室内はレンガの温もり溢れるインテリアで、こちらは実用品としての薪の暖炉がある。キッチンはホワイトにブルーグレーで、ダイニングはテーブルセットとカントリー調の“見せる収納”が空間にうまくはまっている。
ハリウッドから来たアマンダがちょっと退屈していたところに、アイリスの兄で編集者のグレアム(ジュード・ロウ)が転がり込んでくる。ちょっと昔のハリウッド映画のようなラブコメエピソードに、おとぎ話の世界観があるインテリアはとてもよくマッチしている。
インテリアは住む人のライフスタイル次第
一見対極にあるこのふたつの家とインテリアだが、最終的にはお互いの家での暮らしを楽しんでいる。ライフスタイルがまったく違うことで、逆に刺激を受けて新しい恋に一歩踏み出せたというわけだ。
本作ではあとふたり、登場人物の家を挙げたい。ひとつは、ケリー・グラントと友だちだったという90歳のアーサーの家。伝統的な木調で、書斎がそのまま家全体となっているような空間は、男には憧れの秘密基地といった風情だ。
また、グラハムが娘達と住む家も、ブリティッシュスタイルを地で行く。ストライプのカーペットのリビングにタイル貼りのキッチンで、白壁にはロイヤルコペンハーゲンのようなお気に入りの皿が掛けられている。家主が男で、かつアイリスの家とベースは一緒なのに、差し色の黄色や赤がキュートに目立つのは、死別した妻を愛し、ふたりの娘がいるからにほかならない。子供部屋のテントも素敵だ。
インテリアは、その人の世界観そのものであることを教えてくれるのが、この映画だ。(文:fy7d )
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