テラコッタ屋根の海辺の家、インテリアも注目の熟年ロマコメ映画『恋するベーカリー』
#アレック・ボールドウィン#インテリア#コーディネート#スティーヴ・マーティン#ナンシー・マイヤーズ#ホリディ#メリル・ストリープ#恋するベーカリー#映画の中のインテリア
[ネタバレ注意]『恋するベーカリー /別れた夫と恋愛する場合』は、2009年のアメリカ映画。監督は『マイ・インターン』『ホリデイ』のナンシー・マイヤーズ。腕利きのパン職人として成功しNo.1ベーカリーを経営するジェーン(メリル・ストリープ)が、離婚した元夫のジェイク(アレック・ボールドウィン)と、建築家アダム(スティーヴ・マーティン)の間で揺れ動くロマンティック・コメディだ。本稿では、映画の中のインテリアを題材に見直してみよう。
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離婚して10年のジェイクは若いモデルのような女性と一緒。
一方のジェーンは、女手一つで3人の子育ても終え、離婚したときに購入した家にひとりぼっち。しかし息子の卒業に合わせてニューヨークに昔の家族が集まると、偶然ふたりは宿泊先のホテルが一緒になり、焼け木杭に火がつく。他方シャイで実直、何でも言うことを聞いてくれるアダムに住宅の像軸を依頼しているが、ジェイクの恋敵として距離を縮めていく。
「メリル・ストリープよ、どっちにするの?」と相手の男性と恋の行方に集中してしまいがちだが、実はインテリアも充実しているので見直してみよう。
オープンキッチンに大理石。テラコッタの屋根に白壁のリゾート風邸宅にピッタリ
ジェーンの家は、テラコッタの屋根に白壁。ロケーションも海に近い砂浜のエリアだ。目の前には家庭菜園があって、自分で豊かな食材も育てている。
キッチンは白のモノトーンで、業務用の巨大な冷蔵庫が鎮座。壁面や収納には大量の白い皿やカトラリーが並び、大理石の巨大なカウンターには、ジェーンのできたての料理が並べられる。これは、ジェーンの仕事場であるパン屋のキッチンに似ている。
この大理石のカウンターの他にも、リビングやダイニングなど沢山の居場所があリ、日夜女友達が集まって盛り上がる。沢山のゲストを呼んでもてなすにはこの上ない住宅だ。
南欧風の寝室、アーチやオレンジを差し色に
ちなみに、寝室もゴールドの額縁の巨大な鏡に、白いシェードのランプ、籐の椅子などリゾート地のよう。バスタブもかわいい。
たくさんの部屋を仕切るアーチもどこか南欧風で、暖炉のあるリビングもオレンジの花やクッションを差し色に使うなど、太陽の日差しとオレンジに包まれたリゾートのようだ。
インテリア業界にも、このコーディネートを引き合いに出す人が少なくない。そういった目で作品を見直して欲しい。
リフォーム計画が示唆する主人公の恋の行方
このように、ジェーンの家はリフォームしなくても十分充実しているが、遂に長年保留にしてきた自宅の増築計画が進み始めるも、なかなか進まない。いつもジェーンがアダムとの打ち合わせを忘れてしまうからだ。
完成すれば海への素晴らしい眺めと、そこへ繋がる寝室やキッチンが保証されているのに、だ。それは結局、ジェーンにもアダムとの決着がついていなかったからだった。
8年もカウンセリングを受けている先生に、自分一人では解決できず相談に行くが、最後は自分で決断。自分からアダムのところに出向く。ここに新しく、ふたりの家が建つことを示唆しがら物語は終わる。
キッチンに出入り禁止の元夫vs建築家のその後は…?
どちらもバツイチのジェーンとアダム。パン職人と建築家の愛の結晶といえる家は、一体どんな家になったのだろうか? 『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』で登場するアイリーンの家のようになっただろうか。
子どもたちは、夫婦であったときにジェーンとジェイクが仲良くしていた姿は見たことがなかった。自分の城であるキッチンへのジェイクの立ち入りを禁じていたのだ。一方のアダムは、デートでジェーンのキッチンに立ち寄り、一緒にパンを焼いている。
そのときのイメージを元に、女性がひとりで調理するキッチンではなく、みんなでシェアするキッチンが生まれたかも知れない。(文:fy7d)
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