AV男優とゲイビデオ男優の愛を描いた「目を閉じても光は見えるよ」
丸木戸マキ原作の初単行本であるBLコミックの「ポルノグラファー」が実写テレビドラマシリーズ化され、好評を博した。その前日譚となる「インディゴの気分」も『ポルノグラファー ~インディゴの気分~』としてキャストは続投でドラマシリーズ化。さらに、「ポルノグラファー」の続編である「續・ポルノグラファー プレイバック」を実写映画化した『劇場版ポルノグラファー ~プレイバック~』の製作も発表された。
そんな快進撃を続ける丸木戸マキだが、「ポルノグラファー」シリーズのほかにも良作がいくつもある。筆者が特におすすめしたいのは、「目を閉じても光は見えるよ」だ。攻めはAV男優の仁で、受けはゲイビデオ男優の光。2人とも裏の世界の特殊な仕事だが、これがとても感動的な作品で、何度読んでもピュアな涙を流してしまう。
体だけではなく心も結ばれたときの感動はひとしお
人気AV男優の仁はある日、ゲイビデオに出演する話を持ちかけられる。そこで出会ったゲイビデオの受けの男優の光と体の相性がよかったため、ふたりはバディを組み、頻繁に共演することになる。仁と光のバディは人気を集め、順調に売れていたが、実際は仕事上の体の関係だけでお互いのプライベートのことはまったく知らなかった。しかしある時、ふたりは同じマンションに住んでいることが判明し、徐々に距離を縮めていくことに…。
ネタバレなしで読んで欲しいから多くは語れないが、丸木戸の物語は辛い過去を持った人物がほんのりとした希望を見つけて救われていく展開が多く、感動を呼ぶ。どんでん返しで大団円の幸せが用意されている訳ではないが、逆に嘘くさくないのが良くて優しい感触でじんわりと心に染みる。
特に本作は性産業に身を置く彼らなだけに、体の関係は先にあるし、詳しくは描かれなくても仕事上で他の人とも絡みはあるはず。すっきりクリーンで幸せな関係という訳ではなく複雑な関係性の2人なのだけれど、だからこそ体だけではなく心も結ばれたときの感動はひとしおだし、彼らにしかわからないであろう特殊な絆を感じさせるのが良い。仄暗くて個性的な丸木戸マキの世界を堪能して欲しい。(文:牧島史佳/ライター)
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