大画面なら迫力のサウンドを。ホームシアターにオススメのスピーカーの選び方
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映画館での鑑賞も日常に戻りつつある一方で、コロナ禍を契機に、Amazon Primeビデオ、Netflix、Huru、U-NEXTといった動画配信サービスの利用が定着しつつある。
そこで、家に居ながらにして劇場やライブ会場のような臨場感で、映画やドラマ、音楽といったエンターテインメント作品を楽しむ「ホームシアター」を構築するためのアイテムについて紹介していこう。
・リビングのインテリアと調和する大画面。夢の寝室シアターも!
映画は音だ! スピーカー選びのひとつの指針=「シリーズで揃う」
「ホームシアター」づくりには、大画面の映像と、迫力ある音をバランスよく構築することが重要だ。
しかしとくにありがちなのが、「画面は大きいのに、音が迫力不足で釣り合っていない」というパターン。昨今の4Kテレビは、画面は大きくスリムな薄型になったものの、音も“薄型”に。そこで、サウンドバーを追加しようと考える人も多いと思う。
確かにサウンドバーにも良質なものはある(ヤマハ、SONOSなど)が、もし設置スペースに余裕があるのなら、その後のシステムアップの余地も残したプランも検討してみて欲しい。
具体的には、最初はトールボーイタイプなどステレオの2本のスピーカーでしっかりと鳴らすことからスタートし、余裕があるなら、背後に置くサラウンドスピーカーや、低音を補強するサブウーファーなどもバランスよく追加できるように組むのがオススメだ。
そこで本稿では、メインのフロント2本のスピーカーだけでも実力十分な上に、同じシリーズでサラウンドスピーカーやサブウーファー等も揃えることができるスピーカーシステムに注目する。
これらは、ホームシアター初心者にも優しいコストパフォーマンスにも優れた製品群でありながら、末長く使えるものだ。ここでは少しでもイメージがわくように、「こんな人にオススメ」というタイプ別に紹介しよう。
ザ・アメリカンサウンド。映画好きならホーンの力強さで勝負
映画の台詞と重低音をクッキリ楽しみたいなら、力強いホーンが放つ中高音と分厚い低音のアメリカンサウンドが特徴のKlipsch(クリプシュ)を候補にしたい。ポール W クリプシュが1946年に創設したブランドで、THX準拠のモデルも用意。海外では昔からよく知られている。輸入代理店は、オンキヨー。
多彩なラインナップがあるが、中でもReference Seriesは、フロント2chに相応しいトールボーイ(R-820Fが¥58,909/税別、1本、ONKYO DIRECT価格)のほか、センタースピーカーや、サラウンドに相応しいブックシェルフ型、サブウーファーのほか、天井に埋め込まなくても天井からの反射音でドルビーアトモスなどの上下方向の立体音場を創り出す「ドルビーイネーブルドスピーカー」もラインナップする。また、新築であれば天井埋め込み型のスピーカーを活用することも可能で、リビングシアターにもオススメだ。
スコットランドの新進。温かく厚みのある台詞が欲しいなら
次に紹介したいのは、FYNE AUDIO(ファインオーディオ)。2017年創業の新進スピーカーメーカーだが、主要メンバーはかつてイギリスの老舗ブランド「タンノイ」を担ったエンジニアたちで、勘所をわきまえている。ハイレゾ志向で高音中心の細くて淡い音作りが多い中で、その経験と最新技術を融合させ、リーズナブルな価格でも肉感溢れるオーディオ的な歓びが深いサウンドを再現する。代理店はアクシス。
このブランドも、トールボーイ(F501ピアノグロス仕上げで¥250,000/税別、ペア)、センター、ブックシェルフのほか、埋め込み型のスピーカーもラインナップする。
自然な台詞と音場が特長のイギリスの名門
3次元的な再現性と明瞭な台詞、聞き疲れしない自然な再現性でいえば、KEF(ケーイーエフ)だろう。1961年にレイモンド・クックが創業した英国のブランドで、ミッドレンジウーファーの中心にトゥイーターを配することで、音を発するポイントを1点にする思想を徹底している。国内での販売はKEF Japan。
トールボーイ(Q750で¥159,000/税別、ペア)、センタースピーカー、ブックシェルフ、サブウーファーのほか、ドルビーイネーブルドスピーカーや、埋め込みスピーカーもTHX準拠の本格的なシリーズまで多数ラインナップ。薄型テレビとの組み合わせにピッタリのTシリーズもある。
高解像路線でマニアの“リファレンス”
ハイファイオーディオのマニアの間で“リファレンス”スピーカーとしてしばしば用いられるのが、B&W(Bowers & Wilkins、バウワース&ウィルキンス)だ。解像度が高く他のシステムでは聞こえない音がするなどと人気だ。販売代理店は、ディーアンドエムホールディングス。
トールボーイ(603S2 Anniversary Editionで¥145,000/税抜、1本)のほか、センタースピーカー、ブックシェルフ、サブウーファーをシリーズ毎にラインナップ。埋め込み型のスピーカー(CCM362で¥30,000/税別、ペア)も用意する。
長年のノウハウがモノを言うスピーカーの世界
このほかにもシリーズで揃う魅力的なブランドは多い。とくに、クリアーなサウンドが特徴の英国 モニターオーディオ(代理店はナスペック)や、フランスの雄 フォーカル(代理店はラックスマン)など、オススメのブランドは枚挙に暇がない。
ただ、ひとつ言えるのは、スピーカーはコイルと磁石の作用反作用で振動板を動かし、部屋の空気を震わせるという古典的な仕組みということもあり、オーディオ製品の中でも経験的なノウハウがいちばん必要とされるもののひとつだということ。デジタル技術全盛の昨今にあって、やはり長年で築いた伝統が裏切らないジャンルだ。
サラウンドでの展開まで見越して、シリーズ毎に開発を重ねて得た資産を、リーズナブルなエントリーモデルにまで及ぼしているのは、やはり、ヨーロッパを中心にした老舗スピーカーブランド。永らく世界中で愛され生き残ってきた実績は伊達ではない。
それだけに、音がいいのは当たり前で、どのブランドのサウンドも、キラリと光る個性を持っている。本稿を参考に、好みのソフトを持参の上、ぜひホームシアター専門店で視聴して決めて欲しい。(文:fy7d)
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