2002年連載開始の長寿BL「純ロマ」の人気は健在
今年の2月に劇場アニメ版が公開されて好評を博した中村春菊原作による大人気BLコミック「セカコイ」こと「世界一初恋」。この作品より先駆けて連載開始され、TVアニメシリーズ化されて大ヒットしたのが同原作者の「純ロマ」こと「純情ロマンチカ」だ。「セカコイ」を凌駕するほど大人気というこの「純ロマ」を紹介しよう。
・BL界の最強レジェンドが再始動! 10年超で上位人気キープの作品とは?
連載開始はなんと2002年からで、単行本は今年の9月に新刊の25巻が発売されている。いまも連載は続いていて、掲載誌「エメラルド」の発売されている最新号(夏の号。2000年8月28日発売)では表紙を飾るほど高い支持を得ている。
ハイスペック男の俺様攻め! 萌えツボを押さえた王道BL
「セカコイ」とリンクしている世界観で、メインとなるカプは当初高校生だった高橋美咲と、彼の家庭教師を務める超有名小説家の宇佐見秋彦だ。両親を事故で亡くして以来、兄・孝浩と2人で支えあってきた美咲は気が強くて元気な男の子。宇佐見は旧財閥グループの次男で帰国子女でT大法学部を首席で卒業、さらに受賞歴も持つ売れっ子小説家と、とにかくハイスペック! 作中でも「少女マンガでもこんな奴いねーぞ」というぐらい出来すぎた男だ。
そんな宇佐見はウブでやんちゃな美咲のことをからかうように襲ってきてちょっかいをかける。ハイスペックでイケメンで押しの強い俺様攻めはBLの定番。俺様攻めににいいようにされて真っ赤になって余裕をなくしちゃう受けもかわいくって人気のタイプと言える。「純ロマ」は萌えツボをしっかり押さえたBLの王道なのだ。
それでいて宇佐見は兄・孝浩の友人であり、長い間孝浩に片思いしていたが、孝浩の婚約により失恋してしまうという切ない展開も。宇佐見を思って美咲の方が泣いてしまい、宇佐見も美咲に癒されていく。強引なえちシーンがありつつ繊細な心の交流もあるのが「純ロマ」の魅力。ファンを惹きつけてやまず、長く愛されている秘訣だろう。
あなたはどのカプが好き? 年下攻めやシブイタイプも登場
もう一つ長く愛され続けている理由の一つは、「純ロマ」には宇佐見×美咲カプだけでなく他にも数組のカプがいるところ。スピンオフが好まれるBLでは珍しくなく、「純ロマ」には「純情エゴイスト」や「純情テロリスト」、「純情ミステイク」などといった他のカプのラブストーリーも描かれている。
年上攻めだけでなく生意気な年下攻めもいるし、キラキラのイケメンだけでなくシブいタイプもいる。いろんな嗜好にも対応してくれるところも多くの人に支持されるポイントだろう。自分が好きな傾向はどんなカプか、「純ロマ」で探究してみるのも面白いかもしれない。
TVアニメシリーズは2008年の春クールと秋クール、2015年の夏クールに放送されている。アニメシリーズもBLアニメの人気ランキングでいまなお上位に入るほど人気が高い。高橋美咲を櫻井孝宏、宇佐見秋彦を花田光が声を担当し、他にも岸尾だいすけや森川智之ら人気声優が共演している。イケボでしゃべっていきいきと動くキャラクターたちを見たい方はぜひアニメシリーズをどうぞ。(文:牧島史佳/ライター)
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