『007』『トップガン マーヴェリック』など続々と公開延期のハリウッド大作

11月に入っても勢いが止まらない『劇場版『鬼滅の刃』無限列車編』だが、冬興行のハリウッドメジャー作品は枯渇している。11月~12月に公開予定だったものの、延期となった作品は『ブラック・ウィドウ』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『トップガン マーヴェリック』『ナイル殺人事件』と4本あり、ピクサー新作『ソウルフル・ワールド』は劇場公開せずに動画配信サービス「ディズニー+」で配信されることになった。

・コロナ拡大の影響で興収も大幅ダウン、全米で大作映画の公開日延期相次ぐ

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

公開が予定されているメジャー作品は12月4日公開『魔女がいっぱい』、25日公開『ワンダーウーマン1984』(どちらもワーナー・ブラザース配給)の2本。他の洋画期待作にキアヌ・リーブス主演のコメディ映画『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』(12月18日公開、ファントム・フィルム配給)、韓国製ゾンビアクション映画続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』(1月1日公開、ギャガ配給)などがある。

一方、邦画で大手が配給する冬映画を見ると、東宝配給では11月20日公開『STAND BY ME ドラえもん 2』、12月11日公開『新解釈・三國志』、18日公開『約束のネバーランド』、25日公開『劇場版ポケットモンスターココ』『映画 えんとつ町のプペル』、東映配給では12月4日公開『サイレント・トーキョー』、18日公開『劇場版仮面ライダーセイバー/劇場版仮面ライダーゼロワン』、松竹配給では11月20日公開『フード・ラック!食運』、12月25日公開『ジョゼと虎と魚たち』(KADOKAWAと共同配給)が控えている。ハリウッドメジャー作品の枯渇を邦画で埋めることになる。

冬興行で期待が高いのが『STAND BY ME ドラえもん 2』だ。前作は14年に公開され、興収83.8億円の大ヒットを記録した。そして引き続き『鬼滅の刃』が興行を引っ張りそう。公開から約1ヵ月を経た11月14日~15日の週末は15.2億円をあげ、総興収は233億円を超えた。14日から来場御礼入場者プレゼントの第1弾として「ufotable描き下ろしA5イラストカード 壱」を配布。集客の後押しとなった。プレゼントは隔週で配布し、第2弾が11月28日、第3弾が12月12日、第4弾が12月26日に予定されている。『君の名は。』(250億3000万円)、『アナと雪の女王』(255億円)、『タイタニック』(262億円)をあと1~2週間で抜く勢いで、歴代興収1位『千と千尋の神隠し』(308億円)に迫っている。記録を更新する度に話題が喚起されることも追い風になっている。(文:相良智弘/フリーライター)