ホームシアターの画質を決定づける! 奥が深いスクリーンの世界
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4Kテレビが格安に手に入る時代となったが、80インチ超の画面で伸び伸びと映画やライブ映像等を楽しむなら、プロジェクターがオススメ。そのプロジェクターの性能も向上し、比較的自由な場所に映せたり、白い壁に直接投写してもけっこうイケるようになった。
それでもなお、きちんとしたスクリーンに映すべき理由がある。プロジェクターがクルマのエンジンなら、スクリーンはタイヤ。この性能によって、実はぜんぜん画質が違ってくるのだ。ここでは、スクリーンのメリット、種類と、最新のスクリーン動向についてもご紹介する。
・リビングのインテリアと調和する大画面。夢の寝室シアターも!
オーソドックスで劇場に近い「拡散型」
ひとくちにスクリーンといっても、実はいろいろな種類がある。
もっともオーソドックスなのは、劇場などでも使われている「拡散型」。入ってきた光を淀みなく素直に反射・拡散させるため、素直な映像が得られるとともに、見る場所によって画が違わないので大人数での視聴に適している。
欠点は、光が拡散されてしまう結果、明るい映像を得るためにはプロジェクターにパワーが必要なこと、視聴環境を暗くする必要があることだ。昔から劇場のリファレンスとされてきた米国スチュワート社の、『スノーマット100LS』などがそれだ。
明るく濃厚画質にこだわるなら「反射型」
そうした「拡散型」の欠点を補うべく登場したのが「反射型」だ。より明るさを得るために表面に特殊なコーティングを施すなど、独自の工夫がされている。映像もキラキラしたり特定の色が強く出たりと比較的癖が出やすいほか、あまり拡散しないので比較的少人数での視聴に適している。
近年のこのカテゴリーには、ベースは拡散型でありながら、4K高画質を求めてピンポイントの視聴位置で最大画質を得ようという製品も多い。オーエス『レイロドール』、キクチ『Recodis』などがある。
「回帰型」が進化。超短焦点向け「レンティキュラー型」も
以上に加えて、入ってきた光と同じ方向に返す「回帰型」もある。かつては、スクリーン表面に小さなガラス玉をコーティングした「ビーズスクリーン」が主流だったが、最新のものとしては超短焦点プロジェクター用に開発された「レンティキュラー型」がある(キクチ スタイリストSPA-UT)。
幕面がノコギリ状になっており、天井からの照明は庇でシャットアウトしながら、スクリーン下に置かれたプロジェクターからの光だけを視聴方向に反射させる。リビングなど、照明を残しながら明るい環境でホームシアターを楽しむにはベストアイテムだ。欠点は、スクリーンを巻き上げることが出来ないことと、置き型の超短焦点プロジェクターとしか組み合わせられないことだ。
同じ時間を費やしてひと作品見るなら……
このように、単に映像を受ける布でしかないかにみえるスクリーンだが、プロジェクターの進化や設置環境の変化に応じて開発が進み、実は非常に進化している。4Kプロジェクターの登場により、高精細かつ明暗差の大きい(HDR)映像をきちんと映したいなら、投写面に凹凸が少なく光量が稼げることは極めて重要だし、リビングで見るなら環境光の影響が少ないものに魅力がある。
プロジェクターをポン置きして白壁投写するだけでもテレビとは違う世界が得られるが、同じ作品ひとつ見るにしても劇場に近い映像で存分に楽しみたいなら、こうしたスクリーン専用メーカーの製品も選択肢にしていただきたい。(文:fy7d)
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