人気漫画家・宝井理人のデビュー作、「セブンデイズ」にキュンキュン

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セブンデイズ MONDAY→THURSDAY
「セブンデイズ MONDAY→THURSDAY」
橘紅緒(著) 宝井理人(イラスト) 大洋図書
セブンデイズ MONDAY→THURSDAY
『セブンデイズ』DVDコンプリート版
「セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY」
橘紅緒(著) 宝井理人(イラスト) 大洋図書

アニメ化続報が待たれる「テンカウント」宝井理人のデビュー作は青春BL!

大人気BLの「テンカウント」が2020年にTVアニメ化すると発表されてから首を長くして待っているBL好きも多いだろう。放送日などなかなか情報が発表されずに、もう首が伸びすぎちゃったよ? 2020年終わっちゃうよ…? と焦れている方のために、「テンカウント」の原作者・宝井理人の商業デビューコミックス「セブンデイズ」を紹介しよう。こちらも映像化されているほど人気の高い作品だ。

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「セブンデイズ」はBL小説を手がけている橘紅緒が原作、宝井理人が作画を担当したBLコミックで、BL誌「CRAFT」に2006年から2009年まで連載された。橘もコミックスのコメントで言及しているが、1週間の物語を3年かけて連載した。ちなみにコミックスは1巻目の「セブンデイズMONDAY→THURSDAY」と2巻目の「セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY」の全2巻で、がっつりと続き物なのでこれから購入しようという方は2巻ともまとめ買いをおすすめする。

エロい「テンカウント」、ピュアな青春系「セブンデイズ」

「テンカウント」はエロシーンがしっかりとエロくて大人気のBLコミックだが、「セブンデイズ」はキスどまりのピュアな青春ラブストーリー。むしろこちらのピュアな方が宝井のイメージだったので、「テンカウント」のエロさに驚いた読者も少なくなかったといえる。絵柄はデビュー作だけに若干粗いが、少女漫画路線のきれい系でかわいい雰囲気で読みやすい。

前述したようにタイトル通りに7日間=1週間の物語。イケメンで学年問わず女子に人気の1年生の芹生冬至(せりょうとうじ)は、月曜日のいちばん最初に告白して来た相手と必ずつき合い、週末に必ず別れるという噂がある。芹生とは弓道部の先輩である3年生の篠弓弦(しのゆづる)は、好奇心から軽い気持ちで「俺とつき合ってよ 芹生」と声をかける。

意外にも芹生は放課後一緒に帰りたがったり、ケータイの番号とメアドを聞いてきたり、付き合うことに積極的に応じてくる。おまけに振られた女が偶然“シノちゃん”というから、弓弦さんと呼ぶと言う。弓弦は芹生の“1週間限定の恋人”の噂を信じて、それならそれでとゲームのように楽しみ始めるが…。

両片想いのじれったさが青春BLの醍醐味!

イケメンで金持ちで1週間ごとに恋人を取っ替え引っ替えしている軽い後輩、と弓弦は思っていたが、芹生は弓弦に対して誠実で優しく、弓弦は好感を抱き始める。芹生は芹生で、見た目は綺麗でモテるのに幻滅されて振られてばかりいる弓弦の無邪気さをかわいく思い、自分に正直でまっすぐなところに惹かれてゆく。

2人とも好きという思いを胸に抱いているのに、相手は本気じゃないんじゃないかだとか“シノちゃん”のことが引っかかったりだとか、両片想いの状態に。でも、このじれったさは青春BLの醍醐味でもある。

好きなのは自分だけかもと切なくなり、ちょっとした他人との関わりに嫉妬する姿にキュンキュンしてしまう! 思わず来週の話が出ると、お互い傷ついたような空気が流れるほろ苦さも、コレよコレ! と楽しめてしまう。そして、確実に近づいてくる1週間の終わりを告げる日曜日。2人の想いは結ばれるのだろうか? もとの先輩と後輩に戻ってしまうのだろうか?

山田ジェームス武と廣瀬智紀が主演した映画版も人気

高校生同士の爽やかなラブストーリーで王道ではあるけれど、だからこそキュンキュンする甘酸っぱさはみんなが大好きなヤツ。エロはないけれど後輩の方が積極的な年下攻めを好むBLファンは多いし、弓道部の袴姿という眼福もあるし、この作品が人気高いのが頷ける。10年以上前の作品ではあるが、ケータイがガラケーでLINEではなくメールなところは時代を感じるかもしれないが、作風として古さを感じるところもない。

爽やかでピュアだからBLを初めて読むというビギナーも入りやすいだろうし、BL未経験の友だちを腐沼に引きずりこむための布教本としても活用できそうだ。きっと胸がときめくこの王道のラブストーリーは多くの人に楽しんでもらえることだろう。

映像化は『タクミくん』シリーズの横井健司監督がメガホンを取り、『セブンデイズMONDAY→THURSDAY』と『セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY』を2作とも実写映画化している。篠弓弦役を山田ジェームス武(舞台「黒子のバスケ THE ENCOUNTER」の高尾和成役など)、芹生冬至役を川栄李奈の夫としても知られる廣瀬智紀(舞台「弱虫ペダル」の巻島裕介役など)がそれぞれ演じている。3次元のイケメン俳優たちのほうを見たいという方はこちらをどうぞ。(文:牧島史佳/ライター)