佐藤二朗脚本・監督、山田孝之主演『はるヲうるひと』江陵国際映画祭・最優秀脚本賞!

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はるヲうるひと
(C)2020『はるヲうるひと』製作委員会
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佐藤二朗が原作・脚本・監督を手がけた山田孝之主演映画『はるヲうるひと』が、2019年度第35回ワルシャワ映画祭のコンペティション部門(長編監督2作目までの部門)への正式出品に続き、第2回江陵国際映画祭(2020年11月5〜7日開催)にて最優秀脚本賞を受賞した。佐藤は「嬉しいもんですね、賞」と喜びを語っている。

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本作は、佐藤が主宰する演劇ユニット「ちからわざ」で2009年に初演、2014年に再演されて演劇界からも評価が高い舞台を映画化した作品。主演に山田、共演に仲里依紗、坂井真紀ら豪華キャスト陣が集結し、映画化を望んでいた佐藤二朗が約5年をかけて完成させた。

佐藤二朗、受賞の喜び語る「嬉しいもんですね、賞」

物語は、佐藤二朗曰く「架空の島の売春宿で、生きる手触りがつかめず、死んだ様に生きる男女が、それでも生き抜こうともがく壮絶な闘いのおはなし」。その島は、至るところに「置屋」が点在する。本土からは日に二度連絡船が出ており、客の往来の足となっている。住民たちはこの閉塞された島で一生を過ごす。女は客から「外」の話を聞いて思いをはせる。男は、女たちのそんな「夢」を一笑に附して留まらせる。ある置屋にその「三兄妹」はいた。長男の哲雄は店を仕切り、その凶暴凶悪な性格で恐れられている。次男の得太は哲雄にこびへつらい、子分のようにしたがっている。長女のいぶきは、長年の持病を患い床に伏しいてる。ここで働く4人の個性的な遊女たちは、哲雄に支配され、得太をバカにして、いぶきに嫉妬していた。女を売る家で唯一女を売らず、それどころか優遇された箱入り娘。しかも、いぶきはだれよりも美しかった。その美しいいぶきを幼少から見守り寄り添う得太であった…、という物語が展開される。

“笑え、殺したいほど憎くても”というキャッチコピーの下、切なくも壮絶な世界観が描かれれる本作。今回の江陵国際映画祭・最優秀脚本賞受賞にあたって佐藤は、以下のように喜びを語っている。

「『韓国の江陵国際映画祭で最優秀脚本賞を頂いた。言うまでもなく、役者は『演じる』のみに執心するのがよい。当然のことだ。しかし僕にはどうしても『演じる』欲求とは別腹に『書く』欲求がある。役者ゆえ『書く』欲求は捨てるべきだと考えた時期もあった。しかし『お前は書いていい人間だ』と背中を押してくれた人が何人かいた。その人たちや、『何度読んでも魂が震える』と主演を受けてくれた山田孝之、日頃はわりと辛口(笑)なのに『このホンは面白い』と真っ直ぐに僕の目を見て言った坂井真紀、『このホンをつまらなく撮ったら僕の責任』と言ったカメラマン神田創らに、ほんの少しかもしれないが報いられた気がする。役者界隈の賞で、頂いた唯一の賞がNG大賞のみの僕が、まさか異国の地で最優秀脚本賞を頂けるとは思いもよらなかった。そして石橋貴明さんとの対談で『賞なんていらない!』とカッコつけて言ったが、石橋さん、ごめんなさい、頂いたら頂いたで、嬉しいもんですね、賞」

映画『はるヲうるひと』は、2021年6月より全国公開。

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