2020年、数々のエンタメニュースをお届けしてきた。K-POPと昭和を愛する編集部員が、自分で買って良かったK-POPのソフトや、ニュース記事に触れた結果思わず買ってしまった昭和レトロなソフトをここでまとめて紹介する。
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特典が充実しているK-POPアルバム
K-POPアイドルのCDパッケージのほとんどは、プラスティックの汎用ケースではなく、変型のブックレットタイプ。数10ページに及ぶ写真集が付いており、シールやトレーディングカード、先着ならポスターも同梱されるなど大盤振る舞い。ファンならA・B・Cなど複数のバージョン違いがあっても、掲載されているグラビア写真が違うのでコンプリートしてしまう訳だが、それでも普通に写真集を購入することを考えたら決して高くない。
今年購入したものの中では、Rocket Punchのサマーアルバム「Blue Punch」のジッパーケースに入ったキラキラジャケットや、Weeeklyのダイアリー型ジャケットがとくに楽しく、SSAK3のラジカセ型BOXも開封する前からワクワクさせる企画で満足度も高かった。
中でも、YUKIKAのアルバムCD「SOUL LADY」は、単身ソウルに渡り“ソウルの女”になろうと努力していた日本人を演出する付録が凝っていた。
意外と本格派だった「ITZYのライトリング」
TWICEの妹分にあたるK-POPガールズグループITZY(イッジ)の8月に発売されたアルバム「NOT SHY」は3種類あり多くの写真が載っていた。
それに先立ち、ペンライトが7月に発売された。本稿の「オススメソフト」という括りとはすこし離れるが、関連グッズと言うことで触れておく。
2019年にデビューし新人賞を総ナメした割には初めての公式グッズとあって、発売前から期待度は高く、ペンライトと噂されたが、ティザー画像ではリング状で独特の形をしていた。興味津々だったので予約を試みるも、予約サイトは瞬殺で品切れ、問い合わせても追加生産未定とのこと。その後ようやく6000円弱でオンラインショップから購入することができた。
届いたのは、量販店にあるペンライトとは違い、アップル製品のような端正な箱に収まったがっちりした作りの製品。基本的にはコンサートに持参して会場の演出に協力するためのペンライトの類いではあるが、家では壁掛け&USB給電してパーソナルな照明演出に使える優れモノだった。
しばらくITZYのジャパンツアーは期待できそうもないこの状況下で、ひとまずTWICEのペンライトのようにスマホのアプリで照明制御できるようになれば、ちょっとオシャレな室内照明器具としても活用できそう。アプリのリリースを待ちたい。
旧作だがなお購入欲を満たす『キャロル』スペシャル・エディション
この秋、ムビコレでは「映画の中のインテリア」というテーマで、インテリアコーディネーター女史が厳選した15作品を紹介する企画があった。作品中のどんな場面でどのようにインテリアが活用されているのかを、主人公や作品背景との関連で捉え直すために、候補全作品を見直した。
その中で、どうしてもブルーレイの愛蔵版で手許において置きたくなったのがこの『キャロル』スペシャル・エディションだ。
ケイト・ブランシェットの相手を射落とすような視線と、ルーニー・マーラの無垢な瞳。ファッション、インテリアも含めビジュアルが対比で描かれる。また、映画冒頭の重厚な地下鉄の音や、50年代の名曲が奏でる緻密なHDサウンドは、配信では得られない。
『キャロル』のパッケージソフトが発売されたのは2016年で、今さらと思いきや、未だに販売中。同封されたモノクロプリントなど、作品への愛を感じて所有欲を満たすものとなっており、4Kブルーレイが登場しても手許に置いておきたくなる逸品だ。
リアルな音にビックリ『モンティ・パイソン』ブルーレイBOX
かつてTBSラジオ「コサキン」で、関根勤と小堺一機が絶賛していた英国の伝説的バラエティ番組『モンティ・パイソン』。既に充実した日本語吹き替え入りのDVD BOXを所有していても、ブルーレイBOXが出ると聞けば買わざるを得なかった。
本作がリマスター化により高画質化することには、当初、あまり魅力を感じていなかった。むしろちょっとレトロな映像の方が自分の記憶と重なり易く、感慨に浸れることも往々にしてあるからだ。
しかし、リマスターの威力は想像以上だった。ここまで色が鮮やかだと、リメイク作品を見ているかのように新鮮。暗騒音(ノイズ)含め深くてリアルな背景音・効果音がそのまま入っており、メンバーのやる気が台詞の勢いとしてビシビシ伝わってくる。
付属の特製ブックレットも、むしろ初めて作品に触れる人に優しい内容で編集されており、分かりやすく端的に魅力を伝えているのがいい。とはいえ、巻末にはきちんとマニアックな「特別付録」もあり、往年のファンにとって新たなトピックが掲載されている。
それにしても、かつての『ドリフ大爆笑』より遙かに過激な内容をBBC国営放送でやっていたことに改めて驚いてしまう。
石原プロ終了に感慨。「ありがとう!石原軍団」CD2枚組
石原裕次郎のファンでもなければ、石原プロの作品をそれほど見てきたわけでもなかったが、石原プロの最後の姿を見届けたいという気にさせられた一品が「ありがとう!石原軍団」CDだ(特別限定盤が5500円+税)。通常版なら3000円(税別)という価格も、内容を考えれば大盤振る舞いで、これは本当に衝動買いだった。
GYAO!で無料配信された『西部警察』を見て、幼少期に再放送で見て衝撃を受けた記憶が蘇ってきた。そして、大の大人がエンタテインメントに真剣に取り組んでいたことに、改めて感謝したくなった。
年末年始は、バラエティ番組で笑い飛ばすのもいいが、長期の自宅待機をこうした思い出の名作をじっくり見直すのもいいかも、と思わせる好企画だと思う。
極上のヴォーカルはLPで。玉置浩二「Chocolate cosmos」
玉置浩二とゲストが共演するNHK BSプレミアムの歌番組『玉置浩二ショー』。再放送される度に、YouTubeやTikTokの“オススメ”で、過去のライブ映像が上がってくる。安全地帯時代のシャープな歌声と、いまの憂いと深みのある“玉置節”の魅力に、どんどん引き込まれていた。
そんな折に届いた「Chocolate cosmos」のリリース情報。しかもLPでも発売されるとのことで、母親にはCDを、自分にはLPを予約購入した(3800円+税)。
新録なので比較的クリアーなサウンドだが、シンプルなアレンジのおかげで豊かな玉置の声はしっかり聞ける。一見哀しい歌詞で人の孤独を歌いながら人間愛が胸に迫る内容で、今の時代にピッタリだと思った次第。
ちなみに、来年2021年1月9日に『玉置浩二ショー』のオンエアーが決定し、来年も彼の声を堪能できそうだ。
2020年は家で心豊かに過ごすためにエンタメの果たす役割が大きいことを痛感する年でもあった。来る2021年は人々が気兼ねなく集えるライブイベントの復活を願う。(文:fy7d)
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