ホームシアターを楽しみたいと思ったら、実際に機器を部屋にどう設置したらいいのかが気になるところ。実は最近普及してきた機器や判明した研究成果も合わせると、これまで定番とされてきた方法に囚われる必要はないことを紹介する。ホームシアター専用室を作る場合はもちろん、リビングのような生活空間に設ける場合でも、間取りを検討する際の基本は同じなので本稿を参考にされたい。
はじめてのホームシアター:画の迫力は“インチ”だけじゃ決まらない!?
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従来の定番=縦長配置
最近ではホームシアターに大型テレビを使う人が多い。ただし、80インチを超えてくると、スクリーンとプロジェクターを使うのが現実的だ。
しかしこれまで、プロジェクターで映像を投写するには、100インチで3メートルほどの投写距離が必要というのが常識だった。また、スピーカーを複数使った「マルチチャンネル」での再生も考えると、視聴者の後ろにサラウンドスピーカーを置くスペースも必要となる。
こうした事情から、部屋が長方形であれば、プロジェクターの投写距離を稼ぐために部屋を縦長に使う下図のような間取りに決まってしまう(縦長配置)。
新常識!?=横長配置
ところが最近、こうした定番以外でもホームシアターが楽しめるようになってきた。投写距離30センチでも100インチといった大画面を投写することができる「超短焦点プロジェクター」が普及してきたのだ。プロジェクターの内部で映像を反射、拡大させることで光路を稼ぎ、本体からスクリーンまでの距離が短くて済む仕組みを採用している。これを使えば、部屋の長辺にスクリーンを設置して大画面が楽しめる。
また、サラウンドスピーカーも、天井埋め込み型スピーカーを上手く活用すれば、視聴位置よりも後ろにスピーカーを置くためにスペースを割かなくて済む。
プロジェクターと言えども、テレビと同じように設置の自由度は以外に高いのだ。
横長配置は、音の面でもメリット
このように部屋を横長に使う場合、もうひとつメリットがある。部屋を縦長に使う「縦長配置」よりも部屋を横長に使う「横長配置」の方が音がいいとされているからだ。
画面の左右にメインとなる2本のスピーカーを設置すると、その音は天井や床、左右の壁に反射する。部屋が横に長ければ、左右の壁で反射した音がリスナーの周りをバランスよく取り囲み、良好な結果を生むことが多いというのだ(詳しくは「リスニングルームの音響学」石井伸一郎・著)。
テレビと同じようにカジュアルに大画面が楽しめる時代は到来している。日本各地にあるオーディオビジュアル専門店で、「インストーラー」と呼ばれるホームシアターのプランニング、設計、施工を行う専門家に相談してみて欲しい。(文:fy7d)
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