ステイホーム期間が長くなり、自宅で過ごす時間が急増した方の中には「少しでも自分の身になることを学びたい」「この機会に教養を高めたい」という方も少なくないはず。今回は前編に引き続き、教育系YouTuberであるオリエンタルラジオ・中田敦彦が展開する「中田敦彦のYouTube大学」(https://bit.ly/3bcy9sP)の楽しみ方を解説する。
ステイホームで教養アップ! 「中田敦彦のYouTube大学」の楽しみ方:前編
古事記も文豪作品もじっくり解説!日本の根幹探る旅
同チャンネルで、特に人気があるジャンルの1つが学問だ。
例えば「エクストリーム日本史」と称して中田が解説する神話「古事記」編の動画1本目は、540万回以上の再生数を記録。同チャンネルの中でも大人気の同動画は、日本の成り立ちを知る上で重要なエッセンスをまとめている。
誰も手に取って読もうとしない「古事記」を、2時間楽しく視聴できるコンテンツに変換させた点(古事記の面白さを発掘した点とも言える)は、中田の語り手としての才能がいかんなく発揮されている。「日本史の授業の中身が細かすぎて、何が何だか分からない」と困っている中高校生から、「もう一度学びなおしたい」「日本のことをもっと知りたい」と考える社会人まで幅広くおすすめだ。
近代文学の解説動画もおすすめだ。文豪である夏目漱石・芥川龍之介・太宰治の名著を扱った一連の解説動画を通じて、単なる作品紹介にとどまらず、日本人・日本社会が抱える問題を論理的に学べる。太宰治の「人間失格」を取り上げた動画3本目では、芸人仲間であり芥川賞作家の又吉直樹(ピース)による主張の一端も知ることができる貴重な内容だ。
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理系動画もおすすめ フェルマーの最終定理や宇宙の神秘に迫る
文系だけではない。理系のテーマも注目だ。「数学をつくった天才たち」編では、インドの魔術師と称される数学者・ラマヌジャン、数学界のノーベル賞とも称される「フィールズ賞」(4年に1度発表)を辞退した天才・ペレルマンなどについて半生や逸話を紹介する。
「フェルマーの最終定理」編では、サイモン・シンの著書をもとに、数学史最大の難問と言われる同定理の謎が解き明かされるまでのドラマチックなストーリーを語っている(アンドリューー・ワイルズの変態的な研究ぶりなど面白いエピソード満載)。宇宙創生の謎にチャレンジしたガリレオやアインシュタインの足跡をたどる「宇宙」編もおすすめだ。
どれも、文系の人でも気軽に楽しめるエンターテインメントに仕上がっている。恐れずに視聴してみてほしい。
人気の所以は圧倒的な分かりやすさと優れたコスパ
以上、簡単ではあるが「中田敦彦のYouTube大学」の楽しさの一端を解説してきた。どれも言葉だけ読むと「難しそうだな…」ととっつきくにくいが、タレントとして活躍し続けた中田が、視聴者に分かるよう内容を噛み砕いて解説するので、難度の高いコンテンツが中高生でも理解できる。圧倒的な分かりやすさが、人気の所以だろう。
前述の「古事記」は、1人で読めば何日、何週間かかるか分からない。それを約2時間に凝縮して「素晴らしい教養を短時間でかいつまんで学習できる」点も、コストパフォーマンスに優れていると言える。
他にも「宗教史」編や「サピエンス全史」編、ドストエフスキーの名著「罪と罰」編、「源氏物語」編、「日本史」編、「ギリシャ神話」編…など興味深いテーマが、多岐にわたってアップされている。きっとそれぞれが心ときめくテーマを見つけられるはずだ。
ただし本チャンネルの動画は、あくまで書籍および中田本人の観点にもとづくものであり、文部科学省お墨付きの講義というわけではない。その点は留意すべきだ。それでも本チャンネルは、新たな視点や知識を獲得し、気づきを得るものとして十分役立つ。
大学で教養を学ぶ体験を味わいたいという方は、ぜひ一度中田の教育トークに酔いしれてみてほしい。
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