料理と酒、人間模様…、居酒屋を描いた映画・ドラマ3本

#3本 #前略おふくろ様 #小林薫 #居酒屋兆治 #梅宮辰夫 #深夜食堂 #萩原健一 #高倉健 2021.01.16

『続・深夜食堂』
(C) 2016安倍夜郎･小学館／映画「続・深夜食堂」製作委員会

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【居酒屋を描いた3本】
2021年1月8日、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県を対象に、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言が発令された（14日からは大阪・兵庫・京都・愛知・岐阜・福岡・栃木の7府県も追加）。前回の緊急事態宣言と違い、今回の緊急事態宣言は、居酒屋を中心とした飲食店に対する営業時間短縮要請が中心となり、飲食につながる人の流れを制限するという趣旨で行われている。宣言の発令後、20時以降には多くの店が営業を自粛していて、街中はひっそりとしている。宣言の期間は2月7日まで。今はとにかく事態が収束し、居酒屋などに気軽に行けるような世の中になることを祈るばかりだ。

マスターと客との心温まる交流を描いた『深夜食堂』

新宿・歌舞伎町の片隅の路地裏にひっそりとたたずむ“めしや”の営業時間は夜の12時から朝の7時ごろまで。メニューは豚汁定食、ビール、酒、焼酎だけだが、ほかにもできるものなら何でも作ってくれる……。そこで繰り広げられるマスターと、個性豊かな客との交流を描き出したドラマが『深夜食堂』だ。「飯テロ」として人気を博した本作は、5つのドラマシリーズ、2つの劇場版、そして韓国、中国でのリメークなども行われた。

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・映画『深夜食堂』高岡早紀インタビュー、ワケあり女性客を好演

高倉健主演、名優たちが勢ぞろい『居酒屋兆治』

高倉健主演、降旗康男監督、木村大作キャメラマンという数々の名作を残してきたトリオが、北海道・函館のもつ焼き屋「兆治」を舞台とした人間模様を描き出した映画が『居酒屋兆治』だ。高倉健が演じる寡黙な店主が営むもつ焼き屋に集まる客は、田中邦衛、伊丹十三、小松政夫、ちあきなおみ、大滝秀治、細野晴臣、武田鉄矢、伊佐山ひろ子、山口瞳、山藤章二、池部良ら豪華キャスト陣。昭和の居酒屋の息吹が郷愁を感じさせる。

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萩原健一と梅宮辰夫が板前を演じた大ヒット作『前略おふくろ様』

『居酒屋兆治』は、井上堯之の音楽、そして店に通う常連客を演じる小松政夫の演技も深い印象に残るが、この2人が関わったドラマで思い出すのは、萩原健一主演、倉本聰脚本のドラマ『前略おふくろ様』だ。『北の国から』で有名となった倉本聰モノローグの原点となった本ドラマは、東京・深川の料亭が舞台。18歳で山形から上京した板前修業の青年・さぶ（萩原健一）が、板前の修業をしながら成長する姿を温かいタッチで描いたもの。倉本聰の脚本のト書きに「戦場」と記される調理場のシーンは特に必見。仲居たちから次々と入る注文を、とにかくひたすらに作り続ける板前たちの姿が非常にカッコいい。当時、この作品をきっかけに板前を目指した若者が多かったといい、実際に先輩の板前を演じていた梅宮辰夫は、このドラマがきっかけで料理の道にのめり込んだと言われている。（文：壬生智裕／映画ライター）