もふもふの日本製癒やしアイテムに注目、CES 2021まとめ
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1月11日から14日まで、CESがオンラインで開催された。そこで披露された技術や製品、コンセプトから、新技術が今年のエンタメ界に与える影響について、ムビコレ的切り口からみてみよう。
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世界最大デジタル技術見本市で家電トレンドをチェック
CESは、世界最大の見本市の一つで、主催はConsumer Technology Association(CTA)。もともとは国際家電見本市(Consumer Electronics Show)と称し、年頭にその年の家電のトレンドを占うイベントだったが、近年は新しいテクノロジー全般を扱うようになっている。会場は、例年であれば北米ラスベガスで、出展者も昨年2020年は4400以上を誇ったが、今年はオンラインということもあり、昨年の半数以下の約2000にとどまった。
とはいえ、各企業からのメッセージが短くシンプルに示されており、全体のトレンドは掴みやすかった。昨年の主要テーマである5GやAIを正統進化させ、それが具体的に家庭やライフスタイルにおいてどう生かされるのか、また、エンタメコンテンツの源である製作現場はそれにどう対応するのかが示された。
家ナカを豊かに、自分らしくがテーマに
5G時代を迎え、通信インフラの整備とアプリによる一元管理=家電のスマート化が進むとみられた今年。
しかし折しもコロナ禍によって、新技術の披露一辺倒ではなく、これからのライフスタイルを意識したプレゼンテーションもみられた。ひとりひとりが仕事や学習などさまざまなライフスタイルを送っていた家族が、家に集まる時間が増え、家電とどう暮らしていくかが問われているというのだ。
たとえばLGは、「Life is ON… Make Yourself @ Home」と題し、家の中で自分で簡単かつ安心して操作できる家電であることを強調。また、「GALLERY DESIGN TV」と称して、インテリア性も重視していることをアピールした。
SAMSUNGは、「Better Normal for All」と題し、一人ひとりにとってのよりよい生活を訴求。パーソナルであることのキーワードとしてAIを捉え、ニューラルアバターを積極活用する姿勢が見られる。
開催地が米国ということもあるが、「中心に個人としての自分がおり、自分の家がある。リビングやキッチン、それ以外の個室も同じ」という視点がある。コロナ禍でそれを意識させられたのか、今年は先端技術一辺倒ではなく、あくまで自分らしく生活するための技術というエモーショナルな視点でのスピーチが目立った。
そして、これから注目されそうなもうひとつの居室がある。人との接触を避けて移動する手段としてのクルマは、セカンド・ホームとして、スマートホームと同様の機能が求められる予感がある。
CESでも近年注目されてきた自動運転技術だけでなく、便利で安全、安心できる居場所としての魅力がこれからのクルマには問われる。Wi-Fiを経由したカメラとアプリ、IoTを駆使してアップルやソニーに出る幕がある。
テレビの用途は、映画鑑賞よりゲーム、テレビ放送より動画配信へ
LGは、これまでの液晶テレビに代わる高画質な映画鑑賞ツールとして、有機ELテレビを推進してきた。壁に貼るタイプを製品化し、巻き上げ式も実用化間近だが、今回も83インチの新世代「OLED Evo」テレビの発売予定をアナウンスした。
一方で昨今、HDR(扱える光量の幅が大きく明暗差を豊かに表現できる)コンテンツの再生が求められるとともに、新たにLEDテレビが台頭してきた。ピクセルレベルのMiniLEDを並べて自発光させることで、映像をピクセル単位で制御し、HDRに必要な光量差を稼げる。先行するSAMSUNGは、折りたたんで搬入可能な110インチMicroLED Home Screenで「Best of Innovation」を獲得した。
そしてこれらのテレビは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation5やマイクロソフトのXbox Series Xといった次世代ゲーム機が昨年末に登場したことも受け、映画のみならずゲームの映像処理を意識して作られている。
テレビの他にも、サウンドバーやワイアレスヘッドフォンなど、ゲーム用途に開発が進んだ製品も数多く発表された。ただこれらは、コロナ禍を受けてリモートワークやリモートセッションが増えたことで、リモートコミュニケーション全般でニーズが拡大しそう。スマホアプリのゲームとは異なる、本格的なゲーム及びゲーム機も、今後はマニア層が楽しむだけのものではなくなるだろう。
また、これらのテレビは操作面でも従来のテレビとは異なっている。スマートフォンアプリとの連動や、動画配信サービスが中心となることを意識して異なる配信先が一覧で表示できるユーザーインターフェイス(UX)を採用していることから、テレビ放送の時代からネット配信動画の時代に本格移行したことが分かる。
映像製作での技術革新
エンターテインメント向けコンテンツの製作自体も進化している。
パナソニックは放送クォリティ画質でドローンにも搭載可能なミラーレス一眼カメラBGH1を、ソニーはミラーレス一眼カメラαシリーズを搭載可能なドローンAIrPeakを紹介していた。
AirPeakはAIロボティクス分野での利用を想定したプロジェクトで、映画撮影の概念を変えようというもの。これ以外にもソニーは、CG(VR)ではなくモーションキャプチャによって、あたかもリアルなライブが行われたようなミュージックビデオも制作できる(AR)ことを説明。シンガーソングライター、マディソン・ビアーのミュージックビデオ製作過程と作品を披露した。
映画やドラマのように非現実の世界に自分が没入するという世界から、ゲームやリモートコミュニケーションのように現実をよりリアルに体感するための映像と音の世界へ。エンタメも暮らしも、あくまで自分が中心でありながら、今いる場所以外にも至る所に自分の世界があるような気にさせられる時代が日常化しつつある。(文:fy7d)
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