BLコミックの映画化『さんかく窓の外側は夜』、除霊シーンはどう描かれる?
原作者ヤマシタトモコ自身が「BL」と断言!!
志尊淳&岡田将生のW主演でヤマシタトモコ原作のホラーBLコミックを実写映画化した『さんかく窓の外側は夜』が2011年1月22日に公開される。監督は森ガキ侑大、共演は平手友梨奈ら。
・2021年もBL作品盛りだくさん! あの人気BLの映画化も…!
2011年の「このマンガがすごい! 2011オンナ編」で1位・2位を独占するなど高い支持を得ている漫画家ヤマシタトモコ。原作の『さんかく窓の外側は夜』は、2013年から連載開始し、昨年末に連載は終了して最終刊の10巻の発売が2021年3月10日に控えている、累計発行部数100万部を超える人気ホラーBLだ。
“BL”としつこく言ってしまうが、ヤマシタ本人がTwitterで「さんかく窓、BL漫画なんですよ」と断言してくれたのが嬉しいのでつい繰り返してしまう。そもそもBLコミック誌「月刊マガジン ビーボーイ」で連載されていたのでBLコミックと言って良いと思うが、男同士でガッツリと恋愛している訳ではないので、なんとなく遠慮してしまっていたのだ。
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志尊淳と岡田将生の除霊シーンはスタイリッシュ
恋愛ではなく何が描かれているかと言うと、それはズバリ“除霊”。霊が見えてしまう体質の書店員の三角は除霊師の冷川にその特殊能力を見出されてコンビを組まされ、2人で仕事として除霊を行なっていくのだ。そんな2人に昔から冷川を知る刑事の半澤が警察では解決不可能な事件の話を持ちかけ、2人で謎を追っていく。劇場版でも霊が出てきてホラー映画らしい様相を呈しているので、ホラーが苦手な人は注意が必要だ。
BL好きとして気になるのは、除霊シーンだ。冷川が三角を経由して除霊を行うのだが、作中に何度も出てくるこの除霊シーンがなんともエロい。原作では、普段は無表情な三角が顔を赤らめて高揚し、余裕をなくして感じ取っている。冷川は反対に余裕で、三角を責め立て彼の体と魂をいいように使う。シーンによっては、これはもう、致してるよね? としか思えないほど官能的でエロいのだ。
ストーリー上でも見せ場としても重要な除霊シーンな訳なのだが、劇場版では官能的というよりはスタイリッシュ。エロい雰囲気では描かれない。2人の距離はちゃんと近くバックハグのポジションを取って演じられてはいるのだが。
男同士の絆が感じられるバディムービー、2人の関係に涙が…。
ただ、除霊シーンはあっさり目でも、三角と冷川のバディムービーとしては強い絆が感じられた。三角は霊が見えるという人とは違う能力のせいでトラウマを持ち、ネタバレを避けるために詳しくは言わないが冷川はデカ過ぎるほどのトラウマを持っている。2人とも心に傷を持っている実は似た者同士なのだ。
そんな彼らが2人で協力して乗り越えるべきものを乗り越えてゆく。彼らの間には友情や仕事上のパートナーを超えた結びつきが感じられる。このドラマチックな関係には涙まであふれたぐらい感動した。除霊シーンには正直言って物足りなさを感じたが、2人の絆の強さを感じさせてくれたドラマとしては満足だ。BLとして期待している方はドラマの方に集中してみるといいかもしれない。
ちなみに『さんかく窓の外側は夜』はTVアニメ化もすでに決定している。アニメでは除霊シーンやドラマをどんな風に描いてゆくのか、そちらも今から楽しみだ。(文:牧島史佳/ライター)
『さんかく窓の外側は夜』は、2021年1月22日より公開
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