教育観が異なる父母の考えるきっかけに
アンネ・フランクから英国ロイヤルファミリー、Amazon創始者のジェフ・ベゾス、ジョージ・クルーニー、藤井聡太棋士らが受けたとされるモンテッソーリ・メソッド。マリア・モンテッソーリが考案したこの手法を実践する現場に密着したドキュメンタリー映画『モンテッソーリ 子どもの家』が、いよいよ2月19日に公開される。公開を前に、監督のアレクサンドル・ムロが、日本の視聴者に向けてコメントを寄せた。
・子どもたちに魔法をかける! 『モンテッソーリ 子どもの家』向井理らナレーションの本編が公開
公開された動画の中で、監督は「私が初めて父親になった時、娘の育て方でいろいろと批判されました。しかし、マリア・モンテッソーリは安心感を与え、『頑張りなさい』というメッセージをくれました。私がモンテッソーリと出会って、そして教室でずっと観察した時に感じた喜びやインスピレーションを、皆さんにも同じように発見して頂ければ嬉しいです」とコメントした。
また、監督は本作への反響について、フランス国内の動員数は7万人に上り、この映画を見てモンテッソーリ教育を受けることに決めたという声も届いたという。
興味深いのは、教育観に相違があった父母が、この映画を見て寄り添う意見を交えた例があったということ。この映画は、モンテッソーリ・メソッドが教育方法として優れているか否かを問うというよりも、ひとつの考え方として大人であっても見る人に気づきを与える興味深い作品と言える。
“同調圧力”“複雑化した現代社会”とどう向き合う? 大人も考えさせられる作品
マリア・モンテッソーリの声を担当した本上まなみは、この映画を見て感じた新鮮な驚きについてこうコメントしている。
「静かだけれどもの凄くスリリングな、攻めてる映画。幼い子どもの真剣なまなざしって、こんなにも美しいものなのですね。アイロンを掛ける、マッチで火を点すといった、あぶない! ってことも自由にできる環境に驚きました。集団生活でありながら個を大事にする、同調を強制しない教育メソッド。ここには、私たちが忘れていたたくさんのヒントがある。仲間の挑戦を静かに見守る小さな『ぼく』や『わたし』の姿に、胸がきゅっとしました」
ムロ監督の心の声を演じている向井理は、自身が子に接する親として考えるヒントになったという。
「モンテッソーリ女史の教育方針に直接触れたのは、今回の映画が初めて。どのような方針なのか興味はありました。 私自身、親になり、常に子どもとの接し方を考える毎日ですが、何が正解なのか、何が間違っているのかは、恐らくいつまで経っても見つけられないことなのだと思います。刻々と複雑化する社会の中で、一人の親として、そして一人の子として何を感じて生きるべきなのか。その様な悩みを抱える多くの親御様の選択肢を広げる一助になることができれば幸いです」
『モンテッソーリ 子どもの家』は2月19日公開。
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