『劇場版ポルノグラファー』とリンクしている『アケミちゃん』もオススメ!
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木島が出会う静雄は丸木戸マキのBLコミック『アケミちゃん』の主要キャラ!
『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』と登場人物がリンクしている同原作者・丸木戸マキのBLコミックス『アケミちゃん』もオススメ! 『アケミちゃん』は『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』の劇中に登場するキャラクター、静雄という青年の物語で、アクの強い静雄の母親・春子も出てくる読み応えのあるBLだ。
・『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』竹財輝之助×猪塚健太インタビュー
2月26日に公開される『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』は丸木戸マキ原作のBLコミックス『續・ポルノグラファー プレイバック』の実写映画化。ドラマシリーズ化された『ポルノグラファー』シリーズの3作目にして完結編とも言える作品だ。
『ポルノグラファー』は劇場版とともに、官能小説家・木島理生と彼に怪我を負わせたことで知り合った青年・久住春彦を描いたボーイズラブストーリー。3作目の劇場版ではまた木島が怪我を負い、そのことがきっかけで知り合う静雄という青年が出てくる。原作に忠実なシリーズのことだから、原作のコミックス『續・ポルノグラファー プレイバック』にも当然、静雄は登場。彼は丸木戸マキの2冊目のBLコミックス『アケミちゃん』のメインキャラクターだ。
劇場版の原作よりも前に静雄は誕生していた
スピンオフというわけではなく、『アケミちゃん』のほうが『續・ポルノグラファー プレイバック』より先に描かれている。筆者の丸木戸マキのインタビューで、『續・ポルノグラファー プレイバック』の話を考えていた時に『アケミちゃん』の静雄を登場させることを思いついたと語っている。
この『アケミちゃん』、実は筆者は『ポルノグラファー』よりも好きと言ってもいいぐらい、ホロリとさせる感動があって、とても味わい深いBLなのだ。
田舎に戻ってきたクズ男・蒼介と真面目な静雄のBL
舞台は地方のひなびた田舎町。東京の偏差値の高い大学に進学した鷹取蒼介がこの田舎町に舞い戻ってくるところから話は始まる。なぜ舞い戻ってきたかと言うと、イベサーで女の子に酒を飲ませてヤッたところ、訴えられて逮捕されて退学になったから。うん、クズ。この男はクズ。でも、これが主人公なのだ。
彼が町に戻って早々に、中学の時に“アケミちゃん”と呼んでからかっていた「スナック アケミ」の一人息子に出会う。これが明実静雄、そう、あの静雄だ。実家に帰るも追い出されてしまった蒼介は静雄の家に転がり込み、この2人の物語が展開していく。
蒼介は働きもせず昼間から静雄の金でパチンコに行って酒を飲むという正真正銘のクズで、こんな主人公好きになれるかなぁとはじめは不安になりながら読んだのだが、どうしてどうして。最終的には彼の幸せを願ってホロリと落涙させられるのだから、やっぱり丸木戸マキはすごい!
社会の片隅で生きる青年たちの姿が胸に染みる
クズだけれどもクズなりの根性や人情と男らしさも感じさせ、どうしようもないやつだけれど、彼次第で今よりかは良くなっていけるかもしれない! 今が底辺であってこれからは上向きにしていってくれ! と思わせる。
静雄は静雄で、対照的に真面目な孝行息子だけれど、スナックのママである母・春子と共依存的な関係で、どこか諦めたように人生を送っている。そんな彼がクズの蒼介に刺激を受けて、彼もこれから変わっていって欲しいと思わせる。
社会の片隅で生きる彼らが誰に知られるわけでもなく、ひっそりと人生を再生する物語がジーンと胸に染みる。波乱に満ちたドラマティックな展開があるわけではないけれど、心や過去に傷を持つもの同士が寄り添い、ほんの少しの希望を持つ姿に読む者も救われる作品だ。丸木戸の紡ぎ出すストーリーは『ポルノグラファー』しかり、仄暗いなかにほんのりとした光を感じさせるのがいい。
暗いばかりじゃなくコミカルな要素があるのも良くて、アクの強い春子が個性的で面白い。真面目な静雄が奔放な春子の血を引いていると感じさせる、色っぽさがあるのも作品の大きな魅力だ。
『アケミちゃん』も実写化希望! 竹財と猪塚にも友情出演してほしい
『ポルノグラファー』シリーズは『續・ポルノグラファー プレイバック』で一応完結のようで実写映画版も『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』が完結編となっているが、この『アケミちゃん』も実写化すると面白いかもしれない。原作に忠実に実写化する『ポルノグラファー』チームなら、うまいこと実写化してくれるだろう。ただ、コミックスの『アケミちゃん』には登場しないが、もしも実写化されるなら竹財輝之助演じる木島理生と猪塚健太演じる久住春彦に友情出演して欲しい。ファンは原作に忠実に作って欲しいものだが、これは原作を少し変更しても文句はでないことだろう。
『ポルノグラファー』は前日譚となる『インディゴの気分』も実写ドラマ化され、続編を実写映画化した『劇場版ポルノグラファー ~プレイバック~』が2月26日に公開される人気BLシリーズ。官能小説家の木島理生は『年の差婚』の竹財輝之助、相手役の久住春彦は『娼年』の猪塚健太が演じ、劇場版でも彼らが続投。静雄は奥野壮、春子は松本若菜が扮する。ほかには吉田宗洋や小林涼子、前野朋哉らが共演している。(文:牧島史佳/ライター)
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『劇場版ポルノグラファー ~プレイバック~』は2021年2月26日公開
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