洗脳されてしまった地球人からのメッセージ到着『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』
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若者たちの声を聞け! アヴァンギャルドな芸術作品
土星出身の宇宙音楽王サン・ラー脚本、音楽、主演による映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイ ス』の公開が3月5日に迫った。このたび、最初に公開された1974年から実に半世紀も経た日本での公開に先立ち、サン・ラーに洗脳されこの映画を製作した地球人、ジム・ニューマンからメッセージが届いた。
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その内容は、「音楽を聴け。ラーの言葉を聞け。登場する若者たちの言葉に耳を傾けるのだ」というもの。
ニューマンによると、サン・ラーは1960年代後半から70年代初頭にかけて、カリフォルニア大学バークレー校で「宇宙の黒人」と題した講義を開いていたという。当時、サンフランシスコでアヴァンギャルド・アートを展開していたDILEXI GALLERYのプロデューサーだったニューマンはすっかりそれに洗脳され、この革新的な映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』を製作することとなった。
ニューマンは、33年ネブラスカ州オマハ生まれ。スタンフォード大学とオーバーリン大学に通い、55年に音楽の学士号を取得。サックス奏者として、在学中よりジャズクラブを始め、ウォルター・ホップスやクレイグ・カウフマンと共にコンサートホール・ワークショップ創設メンバーとなった。
ミュージシャンとしての活動に加え、ジャズ・プレゼンターとしての豊富な経験を持ち、デイブ・ブルーベック、テディ・チャールズ、カウント・ベイシー、チェット・ベイカー、チャールズ・ミンガス、テリー・ギブスといったアーティストを紹介し、多くのコンサートを主催した。
そして1958年から70年には、アヴァンギャルド・アートを展開するDILEXI GALLERYをプロデュース。1971年から1974年にかけて、2つの長編映画、Phil Makannaの『Shoot the Whale』と、この『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』を製作した。
その後、78年にはフルートを学び、活発な音楽制作を再開。82年から13年まで、サンフランシスコ地域で様々な演奏活動を展開するなど、多岐にわたって活躍。現在はプライベートのアッパー・アシュベリー・シネマクラブの映画シリーズをキュレーションしている。
音楽による黒人文化救済がテーマ
1969年頃に地球から姿を消していた大宇宙議会・銀河間領域の大使サン・ラーは、音楽を燃料に大宇宙を航行するなか、遂に地球と異なる理想の惑星を発見した。彼はさっそく地球に戻り、ジャズのソウル・パワーによる同位体瞬間移動を駆使して米国にいる黒人ブラザーたちの移送計画を立てるが、その技術を盗もうと、アメリカ航空宇宙局NASAの魔の手が迫る……。
本作品は、サン・ラーの音楽をエネルギーとして、地球をも超越した新たな未来へと黒人たちを導こうとする、黒人文化救済映画。分断が叫ばれる昨今こそ見るに値する作品として公開が決まった。
『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』は3月5日公開。
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