カネと欲にまみれたセレブの末路! 実在の富豪夫妻がモデルのブラック・エンターテインメント

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グリード
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モンティ・パイソンを生んだイギリスらしいブラックエンタテインメント

カネと欲にまみれたセレブの裏側をむき出しにする映画『グリード ファストファッション帝国の真実』が6月に全国公開されることが決まった。

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本作は、「グリード=強欲」のタイトルの通り、欲がすべてのファッションブランドのオーナーとその妻の生き様を、イギリスらしい痛烈な風刺とウィットに富んだジョークで綴るブラックエンターテインメントだ。

監督は、『イン・ディス・ワールド』(02年)や『グアンタナモ、僕達の見た真実』(06年)で国際問題を取り上げ、それぞれベルリン国際映画祭で金熊賞、銀熊賞を受賞したマイケル・ウィンターボトム。今回は、ユーモアを織り交ぜながら、経済第一主義の現代社会を題材に、資本主義のタブーを描く。

世界中の有名ブランドがサスティナビリティ(持続可能性)を標榜してイメージアップを図る傍ら、グローバル化と資本主義の変容によって、一見華やかなファッション業界を担っているのは誰なのか? ウィンターボトム監督は、「例えばスリランカの縫製工場で働く女性たちや、イギリスのファストファッション業界の企業買収などを、架空の人物を通して見ることができるのがこの作品の良さだ」とコメント。歯に衣着せぬ社会風刺で一世を風靡したコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』を生んだイギリスならではの毒舌で、資本主義の“勝ち組”の凋落を皮肉たっぷりに描いてみせる。

主人公リチャードのモデルは、昨年まで「TOPSHOP」など複数のファストファッションブランドを保有し爵位なども与えられながら、自らの行動によってそれらを失ったアルカディア・グループのオーナー、フィリップ・グリーン卿である。

そのリチャード役には、イギリスのカリスマ的コメディ俳優、スティーヴ・クーガン。嫌悪感をそそる富裕層特有の日焼けした肌と不自然なまでに白く輝く歯を強調すべく、肌を小麦色に塗り付け歯をして臨んだ。また、リチャードに負けず劣らずお金に目がない元妻を『グランド・イリュージョン』のアイラ・フィッシャーが演じている。

還暦を祝う華やかなはずのパーティーが一転して修羅場に

本作品の舞台は、ギリシャ・ミコノス島。ファストファッションのブランド経営で財を成したリチャード・マクリディ(スティーヴ・クーガン)の還暦を祝うため、リチャードの元妻サマンサ(アイラ・フィッシャー)、息子のフィン(エイサ・バターフィールド)、マクリディの母マーガレット(シャーリー・ヘンダーソン)ら一家が集結し、パーティーの準備が進められていく。折しもイギリス当局から脱税疑惑や縫製工場の労働問題を追及されたリチャードは、ド派手にショーアップされたこのイベントでかつての威光を取り戻そうと目論む。しかし湯水のように金を使い、傲慢に振る舞うリチャードと、家族や部下、伝記作家との間には不協和音が生じて……。

『グリード ファストファッション帝国の真実』は6月全国公開。