K-POPアイドルが「いじめ#Me Too」で活動自粛相次ぐ

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2月28日に任期を全うしSBSの歌番組『人気歌謡』のMCを終えたAprilのナウン。April公式インスタグラム@official.aprilより

女子バレーの主力選手である姉妹が過去のいじめ告発を受けて代表から外されたことが話題となっている韓国で、K-POPアイドル界にも同様の告発が相次ぎ、活動自粛などの騒動が続いている。

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一連の告発連鎖は、K-POP6人組ガールズグループ(G)I-DLEのメインダンサー、スジンが中学時代に校内暴力の加害者であったり未成年者に似つかわしくない素行があったとする投稿に端を発する。アイドゥルは、6組のガールズグループが参加したMnetサバイバル番組『Queendom』で一躍名を上げ、スジンが口紅を拭う狂気にも似たパフォーマンスは絶賛を浴びた。今年に入ってからも「火花(HWAA)」が各歌番組で1位を獲得するなどトップアイドルに上り詰めている。所属事務所のCUBEエンタテインメントは疑惑を否定しているが、スジンは(G)I-DLEのファンコミュニティーにおいて、被害者の姉が投稿したとされる内容の多くを事実無根としながらも、好奇心でタバコを吸ったことは認めた。(G)I-DLEは当面、スジンを除く5人で活動することとなった。

続いて話題となったのは、JYPエンタテインメント所属のITZYのメンバーであるリアと、Stray Kidsのヒョンジン。「アイドルである前に人としても人格者であれ」を社訓とするJYPエンターテインメントだけに、対応が注目されていた。

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ITZYのリアについては、事実無根であるとして告発者を名誉毀損で告訴すると即時に発表。

一方、Stray Kidsのヒョンジンは、騒動が起こってから「事実確認に時間が掛かったため」として報告が遅れたことをファンに謝罪するとともに、公式サイトに本人直筆のメッセージを掲載、被害者本人にも直接会って謝罪したと明かした。また、ヒョンジンの活動自粛も発表され、司会を務めていたMBCの歌番組『ショー!K-POPの中心』の司会はITZYのイェジが代わり、4月から放送予定のボーイズグループによるサバイバル番組『KINGDOM』にも登場しないことが確定的となった。

さらに、メンバー内のいじめが問題となっているのが、DSPメディア所属のApril(エイプリル)。「元メンバーのヒョンジュはグループ内のいじめが原因で脱退した」と、弟を名乗る人物が告発すると、事務所側は法廷闘争も辞さない構えを見せた。それを受け、TikTokなどの動画サイトには、他のメンバーがヒョンジュを疎外しているように見えるシーンを切り取った動画が続々掲載される事態に。「仲間はずれにしているという目で見ればそう見える」「仲良くゲームしていると思っていた」「ヒョンジュ好きだったけど、辞めちゃったのはそういうことだったんだ」「ひとりで苦しんでいたんだね」といった様々なコメントが交わされている。

JYP所属のリアとヒョンジンについては、白黒つけた形で一応収束に向かうかに見える。しかしスジンとApril(とくに各方面で活躍しているナウン)については意見が対立したまま。いじめが事実であるか否かが不明なまま、番組の降板や出演広告の取り下げといった事態に発展している。

K-POPアイドルではファンダムが絶対的存在

もっとも、いじめ疑惑が向けられたK-POPアイドルは今回が最初ではない。

昨年7月には、AOAのリーダー・ジミンが、脱退したメンバー・ミナからの告発を受け、自身のSNSで「小説(作り話)」と書き込んだことで事態が悪化、直接本人と会って謝罪したものの最終的には脱退、活動休止に追い込まれた。AOAは、ジミンと仲がよかったソリョンにも誹謗中傷が寄せられ、今年になってメインボーカルのユナも契約終了でメンバーから外れるなど、存続が危うい事態となっている。

また、10月にはRed Velvetのアイリーンが、スタイリストへのハラスメントで謝罪に追い込まれ、元練習生による投稿で過去のいじめ疑惑も持ち上がった。

こうした「いじめ#Me Too」については、犯罪行為に至らないいじめは当事者の問題であって、メディア含めて外からあれこれ言うのは違うという意見や、時効のない社会的制裁は手段としていかがなものかという意見もある。

しかし、精神的な傷は被害者をいつまでも苦しめることが多く、その点への理解と誠実な対応が求められる。

また、当事者でないファンがここまで反応するのは、K-POPでは所属事務所よりもファンダムが絶対で、素の人柄も含めてイメージ通りのクリーンな存在が求められているため。実際、K-POPアイドルは、InstagramやFacebook、YouTubeに自ら投稿して情報発信し、V LIVEのような動画共有サイトへ毎日のように生配信してファンと直接交流を図る。ファンはその熱意に応え、推しアイドルの素晴らしさをボランティアで拡散させ応援する構図になっている。

ファンからの非難は、「もう支持しません」と当該メンバーの脱退を求める声明文として表れ、きちんと対応できなかった事務所にも向けられる。今回の一連の告発によって、事務所の対応次第でこれまで推してきたアイドルたちの活躍が見られなくなる可能性もあるが、ファンとしては、未熟な時期に過ちがあれば真摯に対応し成長した姿を見せることで皆を楽しませてほしいと願ってやまない。(文:fy7d)