女優・創作あーちすとののんが、映画『私をくいとめて』の演技を評価されて、第30日本映画批評家大賞で主演女優賞を受賞したことが分かった。受賞の喜びを語ったメッセージが到着した。
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のん、主演女優賞ゲットに喜びあらわ「演技は私の生きる術」「こんな幸福なことはない」
本作は、映画『勝手にふるえてろ』を手がけた綿矢りさ(原作)、大九明子(監督・脚本)のゴールデンコンビで贈る現代恋愛ストーリー。快適なおひとりさまライフに慣れ過ぎて、脳内に優秀な(?)相談役“A”が誕生した31歳のみつ子(のん)はある日、真面目な年下営業マン・多田くん(林遣都)に恋をする。しかし30歳を超えた女のもどかしい現実が立ちはだかり…という物語が繰り広げられる。
第33回東京国際映画祭の「TOKYOプレミア2020」部門では観客賞を受賞。今回の日本映画批評家大賞では主演女優賞(のん)、監督賞(大九明子監督)をW受賞した。
日本映画批評家大賞は、選考理由として「誰しもの心にある“ダーク”なところを描きながらも、それを弾けるようなポップさで昇華させる。『私をくいとめて』はまさに“今“を感じさせる、クオリティの高い大九監督の代表作になったといえるだろう」と評価。
のんに関しては「リアリティがありつつも、演劇的なところでも芝居を成立させる力を併せ持つ女優」と述べ、「彼女は映画を観るわれわれの心を、スクリーンの向こうで悩む主人公みつ子に同化させ、見事に巻き込んでしまった。さらりと観客の応援を味方につけてしまう、のんの魅力と見事な演技に拍手を贈りたい」と手放しで称賛した。
のん本人は「演技をすることは私にとって生きる術で、これがなかったら自分は何者にもなれずにモヤモヤとした日々を送っていただろうなと確信しています」とコメント。「そんな私が役を演じて賞をいただけるのは、こんなに幸福なことはないっていうくらいに嬉しい。明日からも元気に演技に励めそうです」と喜びを語っている。
日本映画批評家大賞は、今年で第30回を迎える映画批評家だけの目で選んだ映画賞。米国では映画批評家が選ぶ「ニューヨーク映画批評家大賞」「ロサンゼルス映画批評家賞」 「全米批評家賞」といった権威ある映画賞がある中、 日本で純粋に映画評論家だけが集まった映画賞としては唯一の賞となる。1991年に水野晴郎が発起人となり、淀川長治、小森和子など当時第一線で活躍していた現役の映画批評家たちの提唱により誕生した。毎年1月1日~12月31日までに公開された作品が当該年度の選考対象作品となる。2020年度の授賞式は5月31日に開催する予定。
【受賞者コメント全文】
■主演女優賞:のん
この度は、素敵な賞をいただき心から嬉しく思います。
演技をすることは私にとって生きる術で、これがなかったら自分は何者にもなれずにモヤモヤとした日々を送っていただろうなと確信しています。
そんな私が役を演じて賞をいただけるのは、こんなに幸福なことはないっていうくらいに嬉しい。明日からも元気に演技に励めそうです。
これからも楽しく、精進して参ります。
ありがとうございます。
■監督賞:大九明子監督
監督賞。なんと畏れ多い。何かを作りたくて模索して、映画の道にたどり着いて以来私は、映画作りに夢中です。しかし撮りたいものが私の脳内にどれほど湧いたとて、それを形にしてくれるスタッフ、俳優がいなければ、1フレームたりとも作ることができません。私に、映画監督という立場を与えてくれる全スタッフ・俳優、そして何より、私の映画を観てくださる全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
【日本映画批評家大賞からのコメント全文】
■監督賞:大九明子監督について
とてもポップな感覚、そして誰も想像し得ないような映像の使い方。
大九明子監督はそんな稀有な映像センスを用いて、嫌味になることなく、ただただ新鮮で楽しい映画を生みだしてくれた。これは監督自身による脚本の良さももちろんだが、映画というメディアへの卓越した確かな手腕によるものだろう。
第30回の選考会では、大九監督の卓抜したセンスが多くの選考委員に響いた。誰しもの心にある“ダーク”なところを描きながらも、それを弾けるようなポップさで昇華させる。『私をくいとめて』はまさに“今“を感じさせる、クオリティの高い大九監督の代表作になったといえるだろう。
■主演女優賞:のんについて
役者はリアリティがあればそれでいいという訳ではない。
リアリティがありつつも、演劇的なところでも芝居を成立させる力を併せ持つ女優、のん。
特に今作は少し現実離れした難しい役柄だった。脳内に相談役のAという存在を誕生させてしまった31歳のひとりの女性を、これほど説得力を持って演じ切ったのんの演技力は素晴らしかった。
彼女は映画を観るわれわれの心を、スクリーンの向こうで悩む主人公みつ子に同化させ、見事に巻き込んでしまった。さらりと観客の応援を味方につけてしまう、のんの魅力と見事な演技に拍手を贈りたい。
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