莫大な借金をして家を買うことの愚とは…
ジェシー・アイゼンバーグとイモージェン・プーツが、理想の家探しから一転、住宅街に閉じ込められ極限の精神状態に陥るカップルを演じたスリラー『ビバリウム』が3月12日より全国公開される。映画の中で「マイホームへの憧れがもたらす悪夢」を描いたのはロルカン・フィネガン監督。ムビコレでは、現代社会が抱える恐怖を一級のエンターテインメントに昇華させたフィネガン監督にインタビュー!
・『ビバリウム』ロルカン・フィネガン監督インタビュー全文を読む!
本作の主人公は理想のマイホームを探す若いカップルのジェマ(プーツ)とトム(アイゼンバーグ)。不動産業者の案内で、新興住宅地“ヨンダー”を訪れる。そこはひとけがなく、まったく同じ外観の家が延々と並ぶ奇妙な住宅地。見学を終えて、車で帰路についた2人はある異変に気付く。どんなに車を走らせても、さっき見学した9番の家の前に戻ってきてしまうのだ。2人は住宅地から出ることも、助けを呼ぶこともできず、仕方なく9番の家で夜を明かす。そして次々と起こる不可解な現象に、次第に極限の精神状態へと追い込まれていく。
本作の裏には、単なるスリラー映画としては片付けられない、フィネガン監督の社会への深い洞察が隠されている。つまり「住む家を求めた結果、そこに閉じ込められる」という筋書きは、分譲住宅地を買わされ、その住宅ローンに一生縛られる私たちを誇張して描いているのだ。
「不動産業者はどこからも遠く離れた地所を買い取って、そこに低コストで最大限多数の住宅を建設する。そしてこうやって売り出すんだ、『ここは都会の喧騒から離れた理想の場所だ』とね。人はそんな家を買うために莫大な借金をするんだけど、それは穴を掘っているのに等しい。その後の人生の時間を削って借金を返済してゆくのだから。そんな人生がいかに奇妙でまた恐ろしいものであるかをこの映画で示したかった」
どこまでも同じ色・同じ形の家がタイルのように立ち並ぶ、画一的なヨンダーの光景は、シュールレアリスム絵画の巨匠ルネ・マグリットの作品を参考にしたそうだ。さらにインタビューでは、2つの短編と長編映画を経て『ビバリウム』のアイデアが生まれた経緯や、ほぼ全編をブルーバックのスタジオ内で撮影した苦労などが明かされている。
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