宮崎駿×高畑勲×大塚康生で描いた“トトロ”のルーツ

3月15日に急逝した大塚康生が小田部羊一とともに作画監督を務めた『パンダコパンダ』がBS12トゥエルビで3月25日に放送される。

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『パンダコパンダ』は、パンダブーム真っ只中の1972年に劇場公開し、海外でも『Panda! Go Panda!』としていまなお人気の作品だ。

原案、脚本、画面構成は宮崎駿で、演出は高畑勲。親がいない天真爛漫な女の子・ミミ子が、裏の竹やぶに釣られてやってきたパパンダ&パンちゃん父子と一緒に暮らすという設定を明るく描ききるストーリーも凄いが、2作目の『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』(73年)に至っては、家が洪水で床上(屋根上?)浸水する世界観には度肝を抜かれる。宮崎の着想に加え、現代にも通底するドキリとするような社会的な視点がこっそり折り込まれ、『となりのトトロ』や『崖の上のポニョ』など、後の作品のベースになったとされる名作である。

『名探偵ホームズ』『赤毛のアン』も

今回の特集では、コナン・ドイルの有名推理小説に一味加えてアニメ化した『劇場版 名探偵ホームズ』も放送。霧の都ロンドンのベーカー街で、助手のワトソンとともに難解な事件を解決する。登場人物が全て犬に擬人化された『名探偵ホームズ』テレビシリーズのうち、宮崎駿監督作品を抜粋した特別編集版だ。

名探偵ホームズ

(C)RAI・TMS

また、高畑勲監督が50話あるテレビシリーズの1〜6話を劇場版に再編集した『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』も放送予定だ。

赤毛のアン

(C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.“Anne of Green Gables”™AGGLA

[放送予定]
●3月25日20時30分〜『パンダコパンダ』『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』(2作連続)
●3月21日17時~『劇場版 名探偵ホームズ 青い紅玉(ルビー)の巻/海底の財宝の巻』
●3月28日17時~「劇場版 名探偵ホームズ ミセス・ハドソン人質事件の巻/ドーバー海峡の大空中戦の巻』
●4月4日19時~『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』