一枚しか現存しない貴重なポスター。無事戻ったが・・・

ムビコレでも、去る3月15日午前に1枚しか現存しない『戦場のメリークリスマス』海外版オリジナルポスターが盗難に遭ったことを報じたが、3月18日に差出人不明で新宿武蔵野館に返却されたことがわかった。

・『戦場のメリークリスマス』海外レアポスター盗難被害で展示会中止

このポスターは、大島渚監督の2作品をデジタル修復した『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』と『愛のコリーダ 修復版』の公開に先駆け開催されていたポスター展で展示されていたもの。

宣伝・配給元のアンプラグドは、権利元である大島渚プロダクションと協議の上、これ以上の詮索は行わないという。しかし盗んだものを返せば犯罪でなくなるものではないので、警察による捜査は継続される。

また、今回の盗難によって中止されていたポスター展は、レプリカ版に差し替えて再び開催される予定だ。

大島渚作品最後の大規模ロードショー

『戦場のメリークリスマス』は、デヴィッド・ボウイ演じる捕虜ジャック・セリアズ少佐に、坂本龍一演じるヨノイ大尉が惹かれていくさまを、東洋と西洋の文化を融合させながら描く。当時としてはタブーとも言えるテーマに加え、ビートたけしや内田裕也など、当時は俳優が本業でないキャストでも話題となった。

『愛のコリーダ』は、世間を震撼させた猟奇事件「阿部定事件」をベースにした衝撃作。松田英子と藤竜也が狂おしいほど求め合う男女を演じ、芸術かわいせつかで大きな議論を巻き起こした。

大島渚監督作品は2023年に国立機関に収蔵される予定のため、『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』と『愛のコリーダ 修復版』が大規模ロードショー公開されるのは最後となる。