アメリカで急増するアジア系ヘイトクライムにセレブたちが怒りと悲しみを表明

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オリヴィア・マン
オリヴィア・マンのInstagramより

オバマ元米大統領もヘイトクライムに言及

アメリカのジョージア州アトランタにあるマッサージ店3ヵ所で銃撃事件が発生し、アジア系を含む8人が亡くなった事件を受けて、バラク・オバマ元米大統領をはじめ、セレブたちが怒りと悲しみの声をあげている。

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アメリカやヨーロッパでは、昨年から続く長いコロナ禍の影響なのか、アジア系を標的にするヘイトクライムが急増している。アジア系の人々は道を歩いているだけで罵倒されたり、暴力をふるわれたり、刃物で切りつけられるなど、事態が深刻化していた中、16日(現地時間)にアメリカ南部のジョージア州アトランタと近郊にあるマッサージ店3店舗に銃を持った男が乱入し、アジア系女性2人を含む4人を射殺。その後すぐに市内北東部にあるスパ2店も襲い、そこでも銃を放ち、犠牲となったのは全員アジア系の女性だった。

ジョージア州チェロキー郡アクワース、アトランタ市内の3店を襲撃したのは同一人物で、警察は21歳の白人男性、ロバート・アーロン・ロング容疑者を逮捕した。

バラク・オバマ元アメリカ大統領は事件発生直後の17日にツイッターで「私たちはパンデミックと戦ってきましたが、アメリカでより長い間続いている銃暴力の蔓延を無視し続けてきました。銃撃者の動機はまだはっきりしていませんが、犠牲者の身元はアジア系に対する暴力の増加を明らかにしていて、これを終わらせなければなりません」と綴り、「ミシェルと私は犠牲者の方々、彼らのご家族、そしてこの無意味で残酷な殺人で悲しんでいる全ての人に祈り、命を酢浮くための有意義な行動をとることを求めます」と結んだ。

ジョン・レジェンドの妻クリッシー・テイゲンはタイ出身の母親を持つが、レジェンドは「本当に恐ろしい。命を奪われた方々のご家族に心よりお悔やみ申し上げます。私たちの国は、アジア系アメリカ人の兄弟姉妹に向けられている脅威の増加を考慮する必要があります」とツイートした。

フローレンス・ピューはインスタグラムのストーリーで、「(犯人は)
8人殺しました。人種差別以外の理由なしに。わざわざ別々のスパにいって、アジア系の女性を標的にしたのです」と公表された容疑者の写真を添えて、怒りを綴った。

日系アメリカ人のジョージ・タケイは「これをヘイトクライムだと認めなさい。そしてGOP(共和党)のリーダーたちは、反アジアのレトリックで暴力を煽るのをやめなさい。あなた方が解き放ったものを恥じるべきだ」と怒りをツイートした。

インド系のミンディ・カリングは「アジア系の兄弟姉妹が標的にされていることに気分が悪くなります。この1年で反アジアのヘイトスピーチが常態化していることを考慮すれば、驚くことではありません。私たちは#StopAsianHateアジア系へのヘイトを止めなければなりません。もうたくさんです」とツイート。

TVシリーズ『LOST』や『HAWAII FIVE-O』で知られる韓国系のダニエル・デイ・キムは「犯人の人種は重要ではありません。心に憎しみを抱えて行動する者は問題の一部であるという単純な事実に比べれば。そして助ける力を持ちながら何もせず傍観している人たち、あなたの沈黙は共犯なのです」とツイート。そこに「#StopAsianHate(アジア系へのヘイトをやめろ)」のハッシュタグを付けた。

母親が中国系で、『ザ・プレデター』(18)などに出演しているオリヴィア・マンは事件の一報が伝えられた直後に「なんてこと。神様。私たちを助けてください」とツイートし、その後は事件の情報や意見をアップし続け、「アジア系に対する暴力と殺人はまだ起き続けています。私たちを助けてください。私たちの国で安全にいるための助けが必要です。お願いいたします」と「#StopAsianHate(アジア系へのヘイトをやめろ)」のハッシュタグをつけてツイート。

オリヴィアは2月にインスタグラムで「STOP AISAN HATE」を掲げた長文をアップしていた。

人種差別者による言葉や肉体的な暴力の増加で、アジア系の人々が外出することに恐怖を感じている状況に言及、コロナ禍が始まって以来、「こうしたヘイトクライムは急増し、私たちが助けを求めても、同胞のアメリカ人たちにともに怒ることを求めても、メディアへ報道を求めても、増加の一途を辿っています」と綴り、「この国でマイノリティとして存在するだけで、それを抗議ととらえる人たちがいます。怒りの声を増幅させるための助けが必要です。私たちの国で安心して暮らすための助けが必要です。私たちの国で安全にいるための助けが必要です」と訴えた。

1ヵ月以上も前のメッセージが踏みにじられるような事件が起き、さらにアトランタの警察が犯人の動機について、人種差別ではなく性依存症の可能性があると発表したことにもオリヴィアは怒りを表明している。

17日(現地時間)にアップしたインスタグラムでは「白人のテロリストたちを人間扱いすることで、彼らの殺人行為を許そうとする人々にうんざりしています。『彼は性依存症だった』『彼は本当に不愉快な1日を過ごしていた』。攻撃され、それを止めることができず途方に暮れているコミュニティを助けるためには何の意味もないことです」と綴り、アジア系女性へのヘイトクライムを正当化・合理化しようとするようなものだと批判。

「メンタルヘルスの話をしたいのですか? では、あなたがあなたであるというだけで攻撃してくる国に暮らすことで、どれだけ精神衛生上の危機があるかを話しましょう。私たちは助けが必要です。どうか、アジア系ヘイトをやめてください」という文に、「オリヴィア・マン。誇りあるアジア系アメリカ人」と署名を添えた。