ブラック・メタル王を演じたのはマコーレー・カルキン弟!
1980年代後半に巻き起こったブラック・メタル・ムーブメント。その中核的な存在を担ったバンド「メイヘム」の血塗られた歴史を紐解く映画『ロード・オブ・カオス』が3月26日より公開される。ムビコレでは、メイヘムのリーダー・ユーロニモスを演じたロリー・カルキンにインタビューを敢行した。
・悪魔崇拝主義を標榜し、過激化する若者たち 暴力性の裏に隠れた真実とは?
ギタリストのユーロニモスは、仲間と共に“真のブラック・メタル”を追求するバンド「メイヘム」を結成。過激なライヴパフォーマンスは熱狂的なファンを生み、バンドはカリスマ的な人気を得ていく。悪魔崇拝主義を掲げ、「誰が一番邪悪か」競い合いを始めたメンバーらは、暴動、放火、果ては殺人事件を引き起こし、ノルウェー社会を震撼させた。
本作の舞台は1987年のノルウェーだが、ノルウェー人やスウェーデン人ではなく英語を話す俳優をと早い段階から決めていたジョナス・アカーランド監督が、カルキンを主役に抜擢。カルキンは89年生まれのアメリカ育ち。ブラック・メタルについてもほとんど知らなかった彼は、監督に与えられた1年という準備期間の中で、メイヘムの音楽を聞いたり、親しかった友人に話を聞くなどして「ユーロニモスという人間を自分の中で立体的に作り上げていった」と語った。
長髪にして心身ともにユーロニモスになりきっただけでなく、バンドの演奏シーンのため、ギターの練習にも励んだ。「劇中で演奏する曲を中心に9曲、しっかり演奏できるようにと言われたんだ。ぼく自身はまったく楽器の経験がなかったから、撮影地のハンガリー・ブダペストでブラック・メタル・バンドに指導を受けて、必死に練習したよ」。
俳優一家に生まれたカルキンは、幼い頃から子役として活動。『リッチー・リッチ』(94年)で兄マコーレー・カルキンの幼い頃を演じて俳優デビューした。自身とユーロニモスに共通する部分はあるか聞いてみると「彼は10代からバンドを、ぼくは10代から俳優をやってきた。若くして人前に出るようになった点はよく似ている」と明かす。
「ユーロニモスは本名をオイスタンといって、人前では注目を浴びるために過激なことをするけれど、実際は10代の未成熟な若者なんだ。そういう二面性を演じることに苦労したけど、それが楽しいところでもあった」と振り返る。インタビューの最後では、アンダー・コロナの2020年をどう過ごしたかも教えてくれた。
『ロード・オブ・カオス』ロリー・カルキン インタビュー全文はこちら
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