韓国人女優と中国人監督がイギリスの最重要映画賞を受賞!“白人ばかり”の非難受け多様性加速
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『ノマドランド』が最多4冠
第74回英国アカデミー賞(BAFTA)の授賞式が現地時間10日と11日に開催され、『ノマドランド』が作品賞・監督賞を含む最多の4冠に輝いた。
アカデミー賞大本命、自由と労働を求めて漂流する高齢者を描いた『ノマドランド』
BAFTAはイギリスで最も権威ある映画賞だが、昨年は俳優部門の候補者が白人ばかり、監督賞候補も男性のみと、多様性の欠如が批判を受けていた。投票ルールなどの見直しを進めた結果、4つの俳優部門すべてにおいて、候補者6人のうち4人を非白人が占め、監督賞候補も6人のうち4人が女性となるなど、多様性の実現が一気に加速した。
助演女優賞を受賞したのは『ミナリ』のユン・ヨジョン。彼女は本作で「2020 ワシントンD.C.映画批評家協会」「ボストン映画批評家協会賞」「ロサンゼルス映画批評家協会賞」「サンフランシスコ映画批評家協会」を初めとした数々の有力映画賞で助演女優賞を受賞し、アメリカでも注目を集めている。
BAFTAの授賞式で名前を呼ばれたヨジョンは驚きの表情を浮かべ、ゆっくりと英語でスピーチ。「もっともスノッブなことで知られるイギリスの人たちに認められて嬉しい」と述べ、プレゼンターの笑いを誘った。助演男優賞を受賞したのは『Judas and the Black Messiah(原題)』のダニエル・カルーヤ。ゴールデングローブ賞に続いての受賞となった。
https://twitter.com/BAFTA/status/1381317648156401664
『ノマドランド』は7部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・主演女優賞・撮影賞の4部門で受賞。そのほかの作品は『プロミシング・ヤング・ウーマン』、『ファーザー』、『マ・レイニーのブラックボトム』、『サウンド・オブ・メタル』が2部門ずつ受賞し、賞を分け合う形となった。中国人のクロエ・ジャオ監督と、韓国人女優のユン・ヨジョン、賞レースで躍進を続ける2人のアジア人女性が、イギリス最大の映画賞でも大きな功績を残した。
イギリス全土はコロナ禍を受けて3度目のロックダウン下にあり、映画館は休業、今回の授賞式も候補者たちはリモートでの出席となった。イギリスの2020年の興行収入(アイルランドも含む)は前年に比べて76%ダウンするなど、とても厳しい状況にある。『プロミシング・ヤング・ウーマン』も本国イギリスでは劇場公開を行わず、配信でのみ公開される予定だ。
今月25日にせまった第93回アカデミー賞授賞式。『ノマドランド』はこのままの勢いで作品賞受賞となるのだろうか?
主な受賞結果は以下の通り(★が受賞)。
【作品賞】
『ファーザー』
『The Mauritanian(原題)』
★『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『シカゴ7裁判』
【監督賞】
トマス・ヴィンターベア 『Another Round(英題)』
シャノン・マーフィ 『ベイビーティース』
リー・アイザック・チョン 『ミナリ』
★クロエ・ジャオ 『ノマドランド』
ヤスミラ・ジュバニッチ 『Quo Vadis, Aida?(原題)』
サラ・ガヴロン 『Rocks(原題)』
【主演男優賞】
リズ・アーメッド 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
チャドウィック・ボーズマン 『マ・レイニーのブラックボトム』
アダーシュ・ゴーラヴ 『ザ・ホワイトタイガー』
★アンソニー・ホプキンス 『ファーザー』
マッツ・ミケルセン 『Another Round(英題)』
タハール・ラヒム 『The Mauritanian(原題)』
【主演女優賞】
ブッキー・バックレイ 『Rocks(原題)』
ラダ・ブランク 『40歳の解釈:ラダの場合』
ヴァネッサ・カービー 『私というパズル』
★フランシス・マクドーマンド 『ノマドランド』
ウンミ・モサク 『獣の棲む家』
アルフレ・ウッダード 『Clemency(原題)』
【助演男優賞】
★ダニエル・カルーヤ 『Judas and the Black Messiah(原題)』
バリー・キオガン 『Calm With Horses(原題)』
アラン・キム 『ミナリ』
レスリー・オドム・Jr 『あの夜、マイアミで』
クラーク・ピータース 『ザ・ファイブ・ブラッズ』
ポール・レイシー 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
【助演女優賞】
ニアフ・アルガー 『Calm With Horses(原題)』
コサル・アリ 『Rocks(原題)』
マリア・バカローヴァ 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
ドミニク・フィッシュバック 『Judas and the Black Messiah(原題)』
アシュリー・マデクウィ 『County Lines(原題)』
★ユン・ヨジョン 『ミナリ』
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