83歳を迎えたアンソニー・ホプキンスが、第93回アカデミー賞の主演男優賞に“史上最高齢”でノミネートされた『ファーザー』が5月14日から全国公開される。同作は、認知症となり、現実と幻想の境界線が曖昧になっていく主人公アンソニーの視点で、誰にも訪れる、老いという人生の夕暮れと、親子の絆を見つめた感動の物語だ。
オスカーの多様性見せつけたノミネート内容、韓国系俳優がアジア系アメリカ人俳優として初の主演男優賞候補に!
オリヴィア・コールマン「テーマはすごくシンプル。愛する人が自分を忘れていくことの切なさ」
愛する父の変化に戸惑い悩む娘アンを繊細に演じるのは、初の助演女優賞ノミネートを果たしたオリヴィア・コールマン。コールマンは、インタビューの中で、役に惹かれた理由について「主演のアンソニー・ホプキンスと脚本に惚れ込み、難しくて何度か読みました」と明かす。また「認知症というテーマを美しく描いた作品で、アンソニーの目を通して誰もが彼の戸惑いを理解し、こんな状態はさぞ大変だろうと思います」と語っている。
認知症が進行していく父の世話をするべきか、自分の人生を歩むべきか葛藤する娘アンの難役に挑んだコールマンは「彼女の変化を時系列で説明するのは難しいです。彼女はいい娘で仕事をしながら父の世話をしています。でも彼女の手に負えないほど父の症状は進んでいきます」と語る。親世代の老いについては「自分の親とはまだ役割を交代していませんが、そういう友人はたくさんいます。愛されて育った人ほどその愛を親に返したくなるはずです。自分に依存していく親を見るのはつらいでしょうね。仕方ないことですが想像するだけで悲しくなります」と自身のエピソードも交えて表現した。
ホプキンスの“史上最高齢”オスカーなるか
名優たちによる圧倒的な演技力と、長編作品初監督となるフロリアン・ゼレールによる、これまでになく重厚感ある映像で、ゴールデングローブ賞4部門ノミネートなど世界中の映画賞を席巻し、アカデミー賞では主演男優賞、作品賞、助演男優賞など計6部門にノミネートを果たした同作。中でも、アンソニー・ホプキンスの史上最高齢でのオスカー獲得なるかが注目される。その発表は4月25日(現地時間)だ。
『ファーザー』は5月14日より全国公開。
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