芸能マスコミも報じなかった裏事情
元モデル・バラドルで、現在はサステナブルに特化したファッションブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS」の運営会社の代表取締役社長をつとめているマリエが「私これを喋ったら殺されるかもしれない」と言いながら芸能界の枕営業についてインスタライブで語り、波紋を広げている。
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その内容とは「今から15年前の18歳当時、島田紳助氏から言い寄られ、同席した出川哲朗や、お笑いコンビ・やるせなすの石井康太と中村豪も、マリエに対し“枕営業”を強要するような言葉を発した」といった衝撃的なもの。「私が日本のテレビ番組を嫌いなのはこれらが理由。やるせなすや出川が普通にテレビに出ているのが信じられない。出川が何食わぬ顔で企業のCMに出ているのが本当に許せない」とも語り、「こんなに全部話しちゃって、明日私は殺されるかもしれない。もし殺されたら皆は証言してね」と過激な言葉で結んでいる。
ヤブヘビを突いてしまった芸能事務所側
それに対し、出川哲朗が所属するマセキ芸能社と、やるせなすが所属するワタナベエンターテインメントが4月9日、相次いで、「番組の収録後の打ち上げで出演者、事務所関係者、番組スタッフなど大勢がいる場では同席したことが一度ありましたが、プライベートで食事に行ったことは一度もなく、お騒がせしているような事実はない」と説明した上で、枕営業については「事実無根」としている。
このニュースは、出川側から否定のリリースが出されるまで、大手マスコミで取り上げられることも無く、憶測が憶測を呼ぶ展開となっていたが、内容がセンシティブな上に、あまりに一方的で、発言内容の裏付けもないことから、ニュースの取り扱いに慎重にならざるを得なかった事情もあろう。奇しくも、マセキ芸能社の声明によって、この騒動に公になった側面もあり、“ヤブヘビ”を突いてしまった格好だ。
一方で“男を上げた”タモリと爆笑問題
また、インスタライブ内での男性(交際相手なのかは不明)とのやり取りの中で、「守ってくれたのが『いいともファミリー』のタモリと爆笑問題(太田光、田中裕二)」と明かしている。「守った」ことの詳細には触れられなかったが、当時の芸能界のパワーバランスを振り返ると、島田紳助とそのファミリーに対抗できるのは、「お笑いビッグ3」のタモリと、関東芸人の中ではナンバーワンの実力で人気者となっていた爆笑問題くらいであったであろう。
加えて、爆笑問題の太田光の妻で、タイタン代表取締役社長の太田光代氏のツイート(https://twitter.com/ota324)がネット上で波紋を広げている。発端は、4月7日深夜放送のラジオ番組「24時のハコ」(TBSラジオ)。番組にはお笑いコンビ・かが屋が出演していた。その中で加賀翔は、番組の収録が爆笑問題のラジオ番組「爆笑問題の日曜サンデー」と被っており、太田が楽屋にいたため、あいさつに行った後、喫煙所に太田が入ってきて「油断してんじゃねえよ」「(かが屋所属の)マセキ芸能社も終わったな」と言われたという。しかしこの後「マセキ芸能社も終わったな」という太田の毒を含んだギャグの発言だけがネット上で一人歩きし、ネット上では「出川哲朗の件かな」「マリエ騒動でマセキが終わったってことか」といった声が聞かれる事態になった。
かが屋のラジオ発言により、ネット上でさらに騒動が大きくなり、光代夫人は4月8日夜にツイッターで、「マリエさんって誰?」と投稿。続けて、「かがやさん。マリエさんって誰」「(..)誰」と投稿。思わぬ“もらい事故”に困惑している模様だ。
なぜ広がらない?“MeToo”の動き
一方のマリエは、唯一のメディア出演でもある、4月10日放送のラジオ番組「SEASONS」(J-WAVE)で3時間の生放送に臨み、騒動に触れることはなかったものの、翌4月11日には「私は嘘をつきません」とインスタグラム上で「Yes it’s happened in that day. Thank u for your memory.」の英文と、日本語で「そうです、その日の出来事でした。私は嘘をつきません」と投稿している。
告白を受けて、当初は、Twitterトレンドに「#マリエさんに連帯します」とのハッシュタグが上がったものの、日が経つに連れ、広がっている動きは見られない。「15年も前の、島田紳助氏との出来事を今さら…」といった風向きに変わりつつある。
マリエは「訴えたら100%勝てるけど、面倒くさいから訴えない」と語っているものの、具体的な裏付けを含んだ“第2弾”を放つこと無く、このままダンマリを決め込んでいれば、すでに引退した島田紳助氏からはともかく、理不尽なまでに中傷の的にされている感のある出川哲朗側から訴えられるリスクも生じてくる。冠レギュラー番組を多数持ち、CMにも引っ張りダコの出川のイメージを損なう実害が生じれば、その損害賠償額が億単位になる可能性もある。
次に公の場に姿を見せるのは4月24日に都内で開催される「Self hummingプロジェクト」のトークイベント。「self-harm」とは「自傷」と訳する何とも意味深なイベント名であるが、この日までに何らかの動きを見せるのかが注目される。はたまた、マリエの告白を後押しする“援軍”が現れるのか…。
はたして、真相が明らかになることはあるのだろうか――。
(文:寺島武志/フリーライター・編集者)
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