股を広げて謎の絶叫「クー!」 脱力系新感覚アニメ41連発動画公開
#JUNK HEAD#アニメーション#クー!キン・ザ・ザ#ゲオルギー・ ダネリヤ#ソヴィエト連邦#ソ連#ロシア映画#不思議惑星キン・ザ・ザ#風刺
子どもたちがものまねしたくなる!? ソ連で一大ブームを巻き起こした伝説の作品がアニメ化
「クー!」という意味不明の言葉を連発するアニメーション映画『クー! キン・ザ・ザ』が5月14日に公開される。このたび、「クー!」語の開発(誕生)35周年を記念し、クー! 41連発を抜粋した特別動画が公開された。
・『JUNK HEAD』の監督が多大な影響を受けたカルトSF映画の金字塔、異例の4度目の劇場公開
本作品は、1986年に公開された実写映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』を、ゲオルギー・ダネリヤ監督自らがアニメ化した映画だ。実は、映画の舞台であるプリュク星でほとんどの意味を表す言葉「クー!」が開発された当時のロシアは、まだソビエト連邦。政府の検閲が厳しく、「クー」も消滅の危機に瀕したという。当時をゲオルギー監督は次のように振り返っていた。
「検閲によって、“クー”も消滅の危機に晒されそうになった。当時の最高指導者ブレジネフの葬儀の後に、本作品で重要な『クー』という単語を、急遽、別の言葉に替えなければならなくなりそうだった。ある日、プラヴダ紙を見ると一面には、『K.U.チェルネンコ』の名が太字でいくつも印刷されていた。これはブレジネフの後継者としてコンスタンチン・ウスチノフ・チェルネンコが任命されたという報道であった。プリュク星では『クー(KU)』が全てを意味して繰り返し使われていた。我々は考えた。『カー』? いや違う!『コー』? 違う!『クィ』? ありかも……。しかし、いずれも馴染みの『クー』には劣る。考えているうちにチェルネンコも亡くなった。その後を受け継いだアンドロポフ政権は我々の仕事に全く影響しなかった」
そんな困難を乗り越えて世界を席巻した「クー!」を連発する今回公開された特別動画(https://youtu.be/S6p9U8wVzRw)。ラストには『キン・ザ・ザ』ファンが驚く仕掛けも。果たして、「クー!」の真意とは?
現代ロシアを背景に新たな風刺を加えた
本作品は、社会主義体制真っ只中に制作され、89年、01年、16年と3度にわたり劇場公開された実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』のアニメ化。実写版では再現できなかったアニメならではのリアルなシュールさを描き出している。
実写版は当時のソ連の政治体制を皮肉めいた視点で描いたと評されたが、このたびアニメ化された『クー! キン・ザ・ザ』は、大きな変革の波にあった現代のロシアを戯画化して風刺している。ゲオルギー・ ダネリヤ監督は本作の完成後、2019年に88歳で逝去し、遺作となった。
『クー! キン・ザ・ザ』は、5月14日より全国公開される。
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