少年は親友への思いに葛藤して悩み…。彼を支える女友だちに共感!
<前編>からの続き。
運命の男性を求める青年を描いた、重版出来の話題作『僕が夫に出会うまで』。七崎良輔原作の「文春オンライン」のノンフィクション連載を、BL漫画家のつきづきよしが作画担当したコミカライズだ。原作者の七崎がTwitterで多くのBLファンに受け入れられたことを喜んでいるコメントをアップしていて、BL好きにも堂々とおすすめできる一作となっている。
・重版出来のノンフィクション『僕が夫に出会うまで』。BLファンを原作者が歓迎!
『僕が夫に出会うまで』はつきづきの作風にもぴったりと合った、主人公が健気な物語。主人公は綺麗なものやかわいいものが大好きな少年の良輔だ。“男らしくない”ことでイジメにも遭った彼は、成長して親友ができる喜びとともに、親友への思いに葛藤して悩む。
ずっと「“普通”じゃない、同性に惹かれる自分」のことを否定してきて、ひとり孤独に悩んでいる良輔の姿が切なく胸に響く。良輔の周りの女友だちは悩める彼の本当の気持ちを知って彼の心に寄り添う言葉をかけて彼を受け入れ、そのことで良輔は救われていく。BL好きなら、この女友だちに共感せずにはいられないはず。全BL好きがうんうんと首がもげるほど同意するだろう。
同性愛者である自分を受け入れ伴侶と出会うまでの心情を丁寧に綴った良作
そして良輔は自分を偽らず、本当の自分を理解してもらえることができたため、ゲイとして前進していくことができる。長年垂れ込めていた暗雲から晴れ間が見えて、良かったねぇと声をかけてあげたくなる瞬間だ。とはいえ、すぐに順風満帆とはいかないのが人生というもので、出会いがあって彼氏ができても、やはり同性愛者であることが2人に重く伸し掛かってしまい…。
七崎が“夫夫(ふうふ)”となる伴侶と出会うまでが描かれていき、ノンフィクションのコミカライズなので出来事としてはダイジェストっぽい流れもある。けれど、主人公の良輔がゲイとして自分を受け入れるまでの心の軌跡がしっかりと綴られている。多くのBLで描かれている、主人公が同性愛者であることに悩む心情が丁寧に描かれているから、BL好きは心を掴まれるにちがいない。女友だちには共感しまくりだ。
「本当にあったBLの物語」と公式も紹介している『僕が夫と出会うまで』。BL好きの方も遠慮せずに、というかBL好きこそ布教するぐらいの勢いで堂々と読んで、感動して欲しいと思う。(文:牧島史佳/ライター)
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