女優の菅野美穂が5月5日、都内で実施された映画『明日の食卓』の完成報告会に高畑充希、尾野真千子、柴崎楓雅、外川燎、阿久津慶人、瀬々敬久監督と共に出席。久々の主演作に対する浅からぬ思いを語った。
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菅野美穂「運命的なタイミングでの出会い」主演作への思い語る
本作は、椰月美智子の同名小説を原作とする社会派エンタテインメント。映画の主役は、同じ「石橋ユウ」という名前の小学5年生の息子を育てる3人の母親たち。神奈川在住・フリーライターの石橋留美子(菅野)43歳は、フリーカメラマンの夫・豊と息子・悠宇10歳と暮らす。大阪在住・シングルマザーの石橋加奈(高畑)30歳、アルバイトを掛け持ちしながら息子・勇10歳を育てる。静岡在住・専業主婦の石橋あすみ(尾野)36 歳は、夫・太一が東京に通い勤務するサラリーマンで、息子は優10歳。
3人の主婦はそれぞれが息子のユウを育てながら忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。住む場所も家庭環境も違う3つの石橋家の行き着く運命は…というストーリーが展開される。
フリーライターの留美子を演じた菅野は、10年ぶりの映画主演。実生活では2児の母でもあり「子供が生まれ、今回母親役をいただき、原作を読んで“これは世の中の全てのお母さんが自分を重ねる役だ!”と思った」と作品への出演は即決だったようで、「コロナ禍となり、緊急事態宣言もあって子供と向き合う時間を経ての撮影だったので、運命的なタイミングでの出会いだと思いました」と思い入れを明かした。
シングルマザーの加奈を演じた高畑は「大阪の町工場で働いている設定で、私自身も東大阪育ち。ロケ地の土地や空気の懐かしさがかつて住んでいたところとリンクした」と撮影地の雰囲気に助けられた様子。加奈(高畑)の息子・勇役の阿久津が高畑に「僕は関西弁がド素人で、それを現場で練習していたら、高畑さんが一緒に練習をしてくれました」と感謝すると、高畑は「救いになるような親子のシーンもあって、それをご褒美に辛い場面も耐えていました」と回想した。
専業主婦のあすみを演じた尾野は「私の役は悪い要素がてんこ盛り。でも現実のお母さんの方がもっと辛いんだと言い聞かせて前向きに演じました。母親など未経験なことばかりだったので、人生の予行演習として楽しんでやりました」とハードな熱演報告。あすみ(尾野)の息子・優役の柴咲から「撮影外の時間で尾野さんが全力でトランプで遊んでくれたので、毎日楽しく過ごすことができました」と和みエピソードが語られると、尾野は「100点!」と愛息子のコメント力に太鼓判を押していた。
映画の構成上、女優陣の共演シーンは皆無。完成作に菅野は「お二人のお母さんとしての姿が素晴らしくて引き込まれた」と言えば、高畑も「お二人のシーンにはすごい瞬間も多く、のめり込んで見ていました」と賞嘆。3人の中で最後の撮影だったという尾野は「お二人がどのようなことをしていたのかを聞いていたので、私は私らしい家族をお届けできればというプレッシャーとワクワクした感情で撮影に臨みました。そして本編を見て、それぞれの大変さを目の当たりにして感動しました」とねぎらった。
『明日の食卓』は5月28日より全国公開。
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