修理依頼された「AIBO」をめぐり再生していく人々の絆のドラマ
実在のロボット修理人・乗松伸幸氏をモデルに、天才少年が修理依頼品のAIBOをめぐり、過去と向き合い、新しい絆を育んでいく映画『ロボット修理人のAi(愛)』が完成し、2021年7月10日より公開が決定。今回ポスタービジュアルとキャストのコメントが解禁された。
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天才少年・倫太郎を演じるのは土師野隆之介。孤独な少年の葛藤を瑞々しい演技で体現し、ブータンの「ドゥルク国際映画祭」で最優秀主演男優賞に輝いた。
ヒロインのすずめ役には、100人のオーディションから選ばれた緒川佳波。ほかに、27年ぶりの映画出演となる大村崑をはじめ、大空眞弓、金谷ヒデユキ、亜湖、水沢有美、丸山ひでみなど演技派が脇を固める。
メガホンを取ったのは、『ムーランルージュの青春』(11年)で注目された田中じゅうこう監督。『道しるべ』(15年)に続き、娯楽性と独創性にこだわった“夕焼け劇場レーベル”第2弾として製作された同作は、3年の歳月をかけて榛名湖と東京ロケを敢行。無縁社会の到来が叫ばれる今、ロボットに癒され再生していく人々の絆のドラマを描いた。
田中監督は「AIBOの修理人の話を新聞記事で見た時、16歳の少年が修理人だったら面白いと思い、1年後の2017年の秋に14歳の土師野君と出会った。これで映画ができると直感した」という。資金難やロケ中のアクシデント、そしてコロナ禍での撮影を乗り越えて、3年がかりで完成させた同作。「“命が復活する”というテーマにはピッタリだ」とも語っている。
『ロボット修理人のAi(愛)』は2021年7月10日より全国公開。
【キャスト・監督コメント全文】
■土師野隆之介(倫太郎役)
彼は真面目です。彼は非凡です。彼は愛されています。
彼は強く、そして明るいです。しかし、彼はどこか孤独です。
僕はそんな彼を演じきれているのか不安でした。
でも、できあがった作品を見たとき、美しい映像と音楽、彼の周りの生き生きとした人達によって、倫太郎がそこに生きていると感じることができました。
「14歳の土師野君に出会えて良かった。おかげで映画ができました」
監督からいただいたこのメッセージは宝物です。
田中監督の強い情熱によって幾度の困難も乗り越えて完成したこの映画。
監督が目指す100年愛される映画になることを願ってやみません。
■緒川佳波(すずめ役)
初めての映画出演にドキドキしながらの撮影でした。
私が演じたすずめはあまり声を出すことができない分、表情でいろんな感情を伝えるので、少しの感情の変化を出すことを大切に演じました。
また、上手に話せない言葉を話すことに苦戦しましたが、田中監督からいただいたアドバイスで乗り切ることができました。
ぜひ、すずめと倫太郎が出会ってから時間がたつにつれてのすずめの表情を見てほしいです。
撮影で一緒にいることがほとんどだった倫太郎役の土師野隆之介さんは、いろんなところで周囲への心配りがすごく、とても素敵な方でした。
■大村崑(老人役)
27年ぶりに映画出演の依頼を受けてうれしかったことが二つ。
大自然の中でのロケだったこと。
いつものテレビドラマのセットでなくて、あの幻想的な榛名湖の霧がたち籠める水辺で釣りをしながら椅子に座った瞬間、病院の院長で牧師だと思えた。
何よりいつもの大村崑ではなく、伝説の老人という役を与えられたことがうれしかった。
そしてもう一つ主人公の土師野君が海外で主演男優賞を獲ったこと。
普段人の映画やドラマを見て泣いたりしないけど、今回試写で土師野君の演技を見て、つい泣いてしまった。
その彼が海外で認められたことが自分のことのように嬉しかった。
■大空眞弓(和子役)
人と人のつながりが希薄になりつつある今、心が思わず温かくなる、
この作品に参加させて頂けたことをとても、とてもうれしく思います。
映画で女優人生をスタートさせた私は、このようなほのぼのと見た方に癒しを感じていただける作品が生まれていくことを願います。
雄大な自然の中にある 甦りの伝説。
私にも、願えば再び逢いたい方々がたくさんいます。
この大変な時代にこそまさに信じたいものです。
田中じゅうこう監督! 私を思い出し現場に呼んで下さったことに感謝です。
そして土師野君! 心より大拍手を送ります!
■田中じゅうこう監督コメント
人が生きていくことは、何かをまた失っていくことでもある。その失ったものを復活できる装置が映画や小説である。
AIBOの修理人の話を新聞記事で見た時、16才の少年が修理人だったら面白いと思った。
1年後の2017年の秋14才の土師野君と出会った。これで映画ができると直感した。半年かけて探したメイン舞台の湖が標高1200mの榛名湖だった。
命が復活するテーマにぴったりだ。3年かかって夢中で撮影したら、少年は16才になり、主人公の倫太郎になっていた。配役もシナリオづくりの段階でほぼ当て書きだった。太陽に咲くひまわりのような大空眞弓さん、最高齢の現役喜劇役者の大村崑さん。唯一キャスティングで残念だったのが第一稿にあった宍戸錠さんが亡くなられたことだ。資金難やロケ中の怪我、そしてコロナ禍。長い息のつまるような激しい嵐の中で少年と少女の芽生え出た命の歌を『ロボット修理人のAi(愛)』という映画とともに今、聞こう。お帰りなさい。あなたに会いたかった。
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