レクター博士を彷彿させるアンソニー・ホプキンス迫力の演技
今年のアカデミー賞で、アンソニー・ホプキンスが史上最高齢の83歳で主演男優賞を受賞したほか、脚色賞(クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール)を受賞した映画『ファーザー』が5月14日に公開となった。このたび、29年前にも一度主演男優賞を受賞した『羊たちの沈黙』のレクター博士を彷彿とさせるアンソニーの演技が映える本編映像が公開された。
・記憶や認知が散っても愛は残るのか。アンソニー・ホプキンスの名演が光る『ファーザー』
本編映像は、アンソニーと女性の会話の応酬で始まる。
「夫だ」「誰の?」「お前だ、私じゃない」「ジェームズ?」「お前の夫だ」 「夫はいないわ」
相手の女性は、娘のアンではなく別の見知らぬ女性。夫とは離婚して5年以上になると答える女性。
だとしたら、さっきチキンを持って行った男は誰なのか? 混乱するアンソニーは「男にチキンを渡しただろ」と声を荒げ、男の姿を探してキッチンへと移動する。
「さっきいた男が消えた」と苛立ちを露わにするアンソニーに、女性は「誰が見えたの? チキンの男?」と苦笑すると、アンソニーは「なぜ笑う?」と憤る。
そのあまりの迫力に「何でもない、悪かったわ」と謝る女性に、アンソニーは「たわごとで正気を失いそうだ」と吐き捨てるように言いながらその場を離れる……。
事実と幻想がますます混濁していくアンソニー。
「私は誰なんだ?」
施設は入らないと頑なだったアンソニーは、ついには、娘のアンに向かって「アンはどこだ?」と聞くまでに。
娘に夫はいるのか? ジェームズとは? 遂にアンソニーはある真実へとたどり着く。(https://youtu.be/SNhYqjYTiJY)
年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛
本作品の主人公、アンソニー・ホプキンス演じるアンソニーは、ロンドンで独り暮らしを送る81歳という設定。娘のアン(オリヴィア・コールマン)が手配する介護人を拒否していた。そんな中、アンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受ける。だが、それが事実なら、アンソニーの自宅に突然現れ、アンと結婚して10年以上になると語る、この見知らぬ男は誰だ? なぜ彼はここが自分とアンの家だと主張するのか? ひょっとして財産を奪う気か? そして、アンソニーのもう1人の娘、最愛のルーシーはどこに消えたのか? 現実と幻想の境界が崩れていく中、最後にアンソニーがたどり着いた真実とは──?
本作品は、誰にとっても他人事ではない老いることへの不安や、逃れることのできない親子の愛情を描いた感動作。年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描く。これまでにない画期的な映画体験は、迷宮に足を踏み入れていくような戸惑いと、愛する家族が自身を忘れてしまう切なさ、人間味から滲み出るユーモアなど、様々な感情を重層的に呼び起こしながら、最後には観客を思わぬ感動へと導いていく。
『ファーザー』は5月14日より公開中。
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