胸熱、号泣、感動の3拍子揃ったパニックスリラー!! 原題と邦題の違いにもびっくりな作品とは?

#コン・ユ#マ・ドンソク#新感染 ファイナル・エクスプレス#新感染半島 ファイナル・ステージ

新感染ファイナル・エクスプレス
『新感染 ファイナル・エクスプレス』
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ゾンビと人間のバトルを描いた『新感染 ファイナル・エクスプレス』

2016年に韓国で公開された映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編『新感染半島ファイナル・ステージ』が5月15日にDVD発売されるということで、今回はあらためて前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』の魅力をお伝えしていこうと思う。(※ややネタバレあり)

・[動画]映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』コン・ユ&マ・ドンソク コメント映像

パニックスリラー映画の本作は、釜山行きの高速鉄道内で巻き起こるゾンビと人間の戦いの物語である。劇中でゾンビとの明言はされてはいないが、人間に噛みつき感染させてゆく様は、まぁゾンビと言えよう。高速鉄道に則ってか、原題の『釜山行き』とは打って変わった、少々ダジャレじみた邦題が印象的だ。

グロやホラー耐性がないと無理? 『新感染』の怖さレベルはいかに!?

ゾンビ映画と聞いて、グロやホラーに敬遠している方も多いだろう。かく言う筆者も、そうした類のジャンルはことごとく苦手なビビりで、お化け屋敷は乗車型でない歩行系のものは入れず、「ハイ!吾郎さん」でおなじみの『ほんとにあった怖い話』ではスタジオの子役たち以上にビビるほどのレベルである。

だがそんな筆者も、本作のレビューの良さをスルーすることはできず、非常時用のクッションを抱えていざ映画を鑑賞したところ、あまりの良作にいつの間にやらクッションを放り投げてしまっていた。是非ともグロやホラーで本作を見られずにいる方の指標にしてほしい。

コン・ユ、マ・ドンソクらが胸熱の力技アクションシーンを披露!

ファンドマネージャーとして働く仕事人のソ・ソグ(コン・ユ)は、妻と別居し、娘スアン(キム・スアン)と実母の3人で生活していた。そんなある日、誕生日を迎えるスアンが妻ナヨンのいる釜山に行きたいと言い、やむなく釜山行きのKTX101列車で連れてゆくことになったソグ。だが間もなく出発というところで、乗り込んできた乗客の様子がおかしい。突如、乗務員に襲い掛かったその乗客は、ゾンビの如く狂暴化したのだ。それを発端に次々と乗客たちが襲われ、車内には狂暴化の感染が広がってゆき……。

本作の主な登場人物は、主人公ソグとその娘のスアン、屈強な体のユン・サンファ(マ・ドンソク)と妊娠中の妻ソンギョン(チョン・ユミ)、野球部員の高校生ミン・ヨングク(チェ・ウシク)とキム・ジニ(アン・ソヒ)。それから悪役のヨンソク(キム・ウィソン)である。

別々の車両に逃げ込み離れ離れとなり、それぞれの愛する人が待つ車両へゾンビの群れを掻き分けて向かうソグ、サンファ、ヨングク。この3人の戦いっぷりが手に汗握るほど熱く、ハラハラドキドキで目が離せない。ゾンビ化した人間たちは怖いには怖いのだが、退治するにも殴ってぶっ飛ばすくらいでグロテスクな表現もないので、目を覆う必要もなく余計に話に引きこまれるのだ。サンファの携帯の着信音が幼稚だとツッコむソグに、変え方が分からないとボソッとつぶやくサンファと、それに思わずクスリと笑うヨングクのシーンは、3人の間に生まれた絆が垣間見れるようだった。

新感染ファイナル・エクスプレス

本当の敵はゾンビか、それとも人間か……!?

だが本作の理不尽なところは、必ずしも善良な人間が生き残るわけではないことだ。その元凶が、先に悪役と紹介したヨンソクなのだ。ヨンソクは自分が無事に釜山に行くことしか頭になく、ソグたちに構わず車両を閉め切ったり、はたまた命からがら逃げてきたソグたちを感染者だと言い放ち、連結部に監禁したりとやりたい放題。おまけに何だかんだ終盤まで生き残こるので、いろんな意味でイライラを募らせてくるキャラクターである。最終的に感染し、ソグに家に帰りたいと訴えるあたりは同情できなくもなかったが、総合的には中々の悪役キャラなのである。

本作での最大の見どころは、はじめは自分とスアンが助かることしか考えていなかった合理主義者のソグが、サンファに感化されて本来の善良な心を取り戻し、ゾンビに立ち向かうところだろう。最終的に感染の危機となったソグがスアンに別れの言葉を残し、生まれたばかりのスアンを思い起こすシーンは号泣必至だ。子役キム・スアンの演技力も尋常じゃなく、普段フィクションではあまり泣けない筆者も思わず泣かされてしまった。

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全体を通して、ホラーやグロ要素は少ないと思える本作。ゾンビの怖さよりむしろ、追い込まれた生身の人間たちの怖さというものに焦点を置いているようだ。

次回作を思わせるラストだったが、続編の『新感染半島 ファイナル・ステージ』では、本作の4年後の世界が描かれているという。本作を見て気になった方は、是非ともこちらの作品も見てほしい。(文:斎藤好花/ライター)

『新感染 ファイナル・エクスプレス』Blu-ray、DVD発売中
・ブルーレイ・プレミアム・エディション(2枚組)【3000セット限定生産】 7,678円(税込み)
・Blu-ray、DVDともに5,170円(税込み)
発売・販売元:ツイン
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