少年と年上の女性の切ない愛と別れを軸に、生きることの哀しみと戦争の傷跡、そして再生を描いた感動作『愛を読むひと』。この映画を監督したスティーヴン・ダルドリーが来日。6月10日に東京・恵比寿でジャパンプレミアが行われた。
デヴィ夫人や叶姉妹、上原さくら、杉浦太陽など数多くのゲストが駆けつける中、本年度ミス・ユニバース・ジャパンの宮坂絵美里に導かれて登場したダルドリー監督。世界的ベストセラーの「朗読者」を映画化したこの作品について、「私は、心の旅路が描かれている作品に心惹かれるのですが、『朗読者』にはとても心を打たれました。読み終えた時は気持ちが乱れてしまったほどで、『この作品は映画にしなくては!』と思ったのです」と、制作を決意した時の思いを語ってくれた。
主演は『タイタニック』のケイト・ウィンスレット。この作品で彼女はアカデミー賞主演女優賞を受賞したが、そんなウィンスレットについて監督は、「今、彼女は本当に旬の女優です。彼女自身もオスカーを心待ちにしていたでしょうから、私もとても嬉しかった。ケイトは女優としてだけではなく、人としても素晴らしい人物です。自分のことだけではなく、現場では他の人の演技までしっかりと見ていてくれました」と賛辞を贈った。
その後、ホログラムで浮かび上がった“バーチャル・ケイト・ウィンスレット”が登場し、会場を沸かせた。“初来日”のバーチャル・ケイトは、「せっかくのジャパンプレミアに行けなくてすみません」と詫びてから、「この作品は私にアカデミー賞をもたらしてくれましたが、もちろんそれは私ひとりの力ではなく、ここにいるダルドリー監督や(相手役の少年を演じた)デヴィッド・クロス、(少年の成人後を演じた)レイフ・ファインズ、ドイツの素晴らしいキャストとスタッフ、そしてみなさんのおかげです。そんな私たちが作ったこの作品を、楽しんでもらいたいと心から願っています」と続けた。
監督に花束を贈呈した宮坂は映画について、「愛について深く考えさせられる作品でした」と感想を述べ、「恋人や大切な方を思い浮かべながら見てもらいたいと思いました」とコメント。監督も、「制作に非常に時間がかかった作品ですが、私の人生の中でも最良の時間を過ごすことができました。製作中に感じた感情を、皆さんにも感じてもらえたらと思います。ぜひ映画を楽しんでください」と語り、イベントを締めくくった。
『愛を読むひと』は、6月19日よりTOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国公開される。
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